キク類

キク類についての詳細

キク類（asterids）は、APG植物分類体系において被子植物の重要なクレードとして位置づけられています。この単系統群は、三溝型花粉を持つ真正双子葉類の中で、さらに中核真正双子葉類に分類される大グループであり、バラ類と並んで重要です。分子系統解析により、キク類の単系統性が強く支持されており、この分類には多くの植物が含まれています。

誕生の背景

1993年にChaseらによる分子系統解析が行われた結果、それまでの被子植物の分類が大きく見直されることとなりました。特に、キク目群（asterids I から V）の発見は、植物の系統関係に新たな理解をもたらしました。この研究では、キク目群 I と II が最も派生的なグループとして認識され、それぞれの姉妹群が設定されました。この結果、キク目群の構成の見直しを含む新しいAPG分類体系（1998年版）の策定が行われました。

分類の進化

APG I（1998）では、キク類がミズキ目やツツジ目、真正キク類 I および II から成っていましたが、それぞれのグループの分岐順序は確定していませんでした。この不確定性は、APG II（2003）やAPG III（2009）での改訂により解消され、真正キク類 I および II の名称も変更されました。さらなる分子系統解析により、APG IV（2016）ではキク類の姉妹群の特定が進み、ナデシコ目がこのクレードと関連付けられました。

特徴と共通性

キク類の特徴として、薄層型の珠皮を持つ胚珠があり、これが独自の派生形質となっています。また、真正キク類では、花弁の枚数が雄蕊数と等しい特性や、雄蕊が花冠の上に位置することが共通します。このことから、キク類は非常に特異な進化を遂げた植物群であることが示されます。

学名の使用

APG植物分類体系では、高次クレード名にラテン語の学名は付与されておらず、代わりに英語の複数形名が使用されています。このため、キク類は階級を持たないクレード名称に位置しています。Cantinoらは2007年にこのクレードをノードによって再定義し、かつてのキク亜綱の名称が再利用される形となりました。具体的には、ヒメオドリコソウやセイヨウサンシュユ、Aster amellus、エリカなどがこのクレードに包括されます。

下位分類

APG IVでは、キク類にはいくつかの分類群が含まれています。これにより、キク類の多様性が明確化され、その系統関係の理解が進んでいます。キク類は、これまでの研究を通じて植物系統の理解を深め、進化生物学や分類学における重要な位置を占めていることが明らかです。これからもさらなる研究が期待され、キク類の進化に関する新たな知見が得られることに期待が寄せられています。

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