APG IV

APG IVの概要

APG IVは、被子植物の分類に関する先進的な体系であり、2016年に発表されたこの第四版は、2009年に発表されたAPG IIIの進化版です。この新しい体系は、以前のバージョンから約7年ぶりに更新されたもので、最初のAPG体系からは18年が経過しています。APG IVは、分子系統学に基づいており、植物間の進化的な関係を反映した分類がなされています。

APG IVの基本方針

APG IVの編纂には、従来のAPG IIIで得られた知見が取り入れられていますが、新たに得られた確かな証拠に基づき従来の分類に修正が加えられています。この姿勢は、植物の進化的関係を正確に理解し、適切な分類を行うために重要です。APG IVでは、特にAPG III発表以降に確認された新しい学説やデータに基づいて、各科や目の位置づけや近縁関係について見直しが行われています。

APG IVとAPG IIIの主な変更点

APG IVは従来のAPG IIIに対していくつかの重要な変更を実施しています。具体的には、5つの新しい目が追加され、これにより被子植物の分類がより詳細に行えるようになりました。新たに設置された目には以下が含まれます。

• - ムラサキ目 (Boraginales): ムラサキ科 (Boraginaceae) に属する目
• - ビワモドキ目 (Dilleniales): ビワモドキ科 (Dilleniaceae) に属する目
• - クロタキカズラ目 (Icacinales): クロタキカズラ科 (Icacinaceae) とオンコテカ科 (Oncothecaceae) に属する目
• - メッテニウサ目 (Metteniusales): メッテニウサ科 (Metteniusaceae) に属する目
• - ヴァーリア目 (Vahliales): ヴァーリア科 (Vahliaceae) に属する目

これらの新設目の導入により、被子植物の分類表は416の科と64の目から構成されるようになり、より洗練されたものとなりました。

APG IVの分類の詳細

APG IVの体系は、大きくクレード（進化的単位）や目、科の階層に分けられます。基本的なクレードには「被子植物（Angiosperms）」が含まれ、その下に複数の目が並びます。以下は一部の目の紹介です。

基部被子植物

• - アムボレラ目 (Amborellales)
• - スイレン目 (Nymphaeales)
• - アウストロバイレヤ目 (Austrobaileyales)

単子葉類

• - ヤシ目 (Arecales)
• - イネ目 (Poales)
• - ユリ目 (Liliales)

真正双子葉類

• - マツモ目 (Ceratophyllales)
• - キンポウゲ目 (Ranunculales)
• - バラ目 (Rosales)

このようにAPG IVでは、各クレードごとに目や科が詳細に分けられ、その進化的な関係が明確に示されています。また、これにより植物の多様性や進化のメカニズムについて更なる理解を深める手助けとなるでしょう。

参考文献と外部リンク

APG IVについての詳細な情報は、Angiosperm Phylogeny Groupのウェブサイトおよび関連する科学文献にて入手することができます。植物分類学のさらなる研究や理解を深めるためには、これらの情報の活用が推奨されます。

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