バラ類

バラ類についての概要

バラ類、またはバラ目群（rosids）は、顕花植物の中で非常に多様性に富んだクレードの一つです。このグループには約16から20の目、140の科、そしておおよそ70,000種が含まれており、被子植物全体の四分の一以上を占めています。このように、バラ類は植物界においても非常に重要な位置を占めているのです。

化石記録によると、バラ類は白亜紀にまでさかのぼり、その出現は分子時計の解析によって約1億2500万年前から9960万年前にかけてと推定されています。この長い歴史を持つバラ類は、進化の過程で多様化し、広範囲にわたる生態系で見られます。

名称の由来

「rosids」という名称は、「Rosidae」というバラ亜綱に由来しています。しかし、この名称は正式な分類名ではなく、非公式の呼び方にあたります。バラ類の範囲に関しては、いくつかの異なる定義があります。すなわち、ユキノシタ目やブドウ目を含む場合、含まない場合、そしてブドウ目は含むがユキノシタ目は含まない場合（APG II）などが提唱されています。

分類体系

バラ類は、ユキノシタ目と共にクレードを形成しています。このクレードは、Pentapetalae（コア真正双子葉類からグンネラ目を除外したグループ）の6つのクレードの一つであり、他の5つはベルベリドプシス目、ナデシコ目、ビワモドキ目、ビャクダン目、そしてキク類です。

バラ類は、さらにブドウ目と真正バラ類（eurosids）に分類されます。真正バラ類は、大きくマメ群（Fabidae）とアオイ群（Malvidae）に分かれており、それぞれの群は正確に分類されています。特に、2009年の研究ではアオイ群の範囲が拡大し、8目が含まれるようになりました。この広義のアオイ群は、強い統計的支持を受けており、100%のブートストラップ確率が示されています。

バラ類に含まれる目

現在、バラ類には17の目と2科の未所属科が含まれています。かつては、マメ群は8目、アオイ群は4目と見なされていましたが、最新の研究によってその範囲が改訂されています。特に、ブドウ目、ハマビシ目、クロッソソマ目、ピクラムニア目、フエルテア目は最近新たに設立された目とされているのが特徴です。

未所属科に関する情報

アポダンテス科とフア科は、バラ類に位置づけられていますが、それぞれの所属目は未だ特定されていません。アポダンテス科は葉緑体を持たない寄生植物であり、以前はウリ目に分類されていましたが、現在ではその位置はまだ不明です。これには、植物系統解析で使われる葉緑体遺伝子が偽遺伝子に相当しているため、明確な系統情報が得られないという問題が伴います。フア科は、マメ群のCOMクレードに属する可能性がありながら、カタバミ目に含まれるという結果も存在しますが、確定的な位置はまだ不明です。

窒素固定と共生

バラ類の中には、フランキア属の放線菌と共生して根粒を形成し、窒素固定を行う多くの種が含まれています。これは、植物の栄養補助において重要な役割を果たしています。

このように、バラ類はその多様性と進化の過程において、植物界で非常に重要なグループとなっています。彼らは自然界における生態系の保全や持続可能な利用に寄与しており、科学的な研究の対象としても注目されています。

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