キゲジ

キゲジは、ウガンダ南西部に位置する伝統的な地域であり、多様な歴史と文化を持つ地域です。北にエドワード湖を挟んでトロ王国（ルウェンズルル）、東にアンコーレ王国、南にルワンダ東部州及び北部州、西にコンゴ民主共和国北キヴ州と接しています。

住民構成と社会

キゲジの主な住民はバントゥー系のキガ族です。最南部にはフンビラ族と少数のトゥワ、北部にはホロロ族が居住しています。周辺国のような階層社会を形成した民族もいますが、キガ族は比較的平等な農耕社会を築き、雑穀などを栽培し、ウシなどを飼育していました。

植民地時代と紛争の影響

イギリス植民地時代には、ブニョロとイギリス及びブガンダの戦争に巻き込まれ、住民にも被害が出ました。イギリス及びブガンダに「解放」されるまで、キゲジはブニョロの従属的な地域でした。その後、キゲジ県が置かれ、イギリスは他の地域と同様にコーヒーなどを商品作物として栽培させようとしましたが、この地域では食料が商品作物として重要視されました。ルワンダ紛争に伴い、難民が流入し、地域の安定を揺るがしました。

行政区画の変遷

イディ・アミン政権時代の1974年に、キゲジは南北に分割され、1980年には南部がカバレ県、北部がルクンギリ県に改称されました。ヨウェリ・ムセベニ政権時に地方が廃止され、西部地域の一部となりました。1991年5月には、カバレ県西部がキソロ県として分割されました。2001年7月には、ルクンギリ県西部がカヌング県として分割されています。これらの変遷は、地域の政治的、社会的な状況を反映しています。

近年の課題

フンビラ族はルワンダ人に近く、キゲジはルワンダ愛国戦線のルワンダ侵攻の拠点となりました。また、キブ紛争の難民も流入しています。人口密度が比較的高く、近隣地方に移住したキガ族が土地紛争などで海外に流出する例も少なくありません。これらの問題は、地域の安定と発展を阻害する要因となっています。

キゲジは、その地理的な位置、多様な民族構成、そして歴史的な経緯から、複雑な問題を抱える地域です。紛争の影響、難民問題、人口問題など、解決すべき課題は山積していますが、地域の住民が協力し、持続可能な発展を目指すことが重要です。

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