キシュウローレル

キシュウローレル：才能と悲劇の競走馬

キシュウローレルは、1970年4月19日生まれの競走馬です。父はゴールデンパス、母系は小岩井農場の基礎輸入[[牝馬]]アストニシメント系と、優れた血統を受け継いでいました。同期には、タケホープやハイセイコーといった名馬が名を連ね、激しい競争を繰り広げた時代でした。

1972年9月17日、梅内忍騎手を鞍上にデビュー。デビュー戦を圧勝で飾ると、続くデイリー杯3歳ステークスもレコードタイムで制覇し、勢いに乗ります。オープン戦を挟んで臨んだ阪神3歳ステークスでは、紅一点ながら1番人気に応え見事勝利。4連勝の快挙を達成し、この年の優駿賞最優秀3歳牝馬に選出されました。

翌1973年には紅梅賞も制し5連勝。関西の3歳牝馬として、クラシック路線の大本命に躍り出ます。しかし、阪神4歳牝馬特別では、伏兵と目されていたニットウチドリに惜しくも敗れ、桜花賞では再びニットウチドリに屈し、3馬身半差をつけられてしまいます。距離適性などを考慮し、オークスへの出走は見送られ休養に入ります。

復帰後も、オープン戦では思うような結果を残せず、1番人気を裏切る結果が続きました。1974年の金杯では9着に敗退、続くオープン戦でも3着と苦戦します。中京のオープン戦で久しぶりの勝利を収めると、勢いに乗って阪神のオープン戦では大胆な追い込み策に出ましたが、結果はブービー負け。再度休養することとなります。

休養明けの早鞆ステークスでは、逃げの作戦に出ます。見事1分9秒4のレコードタイムで逃げ切り勝ちを収め、短距離での快速ぶりを改めて示しました。

しかし、キシュウローレルの競走生活はここで幕を閉じます。10月27日、京都牝馬特別に出走したキシュウローレルは、レース中に左前脚の開放骨折という重傷を負い転倒。梅内騎手も重傷を負いました。予後不良と判断され、安楽死の措置が取られました。わずか4歳での突然の死は、関係者に大きな衝撃を与えました。

キシュウローレルの血統はその後も続いています。全妹キシューファイターの子孫には、ゴーイングスズカやタイムフェアレディといった活躍馬も輩出しています。その血統は、彼女の短いながらも華麗な競走生活と、悲劇的な最期を語り継いでいます。キシュウローレルの名は、日本の競馬史に、その才能と悲運とともに刻まれました。彼女の活躍は、多くの競馬ファンに感動と、そして忘れ難い記憶として残っています。短い競走生活でしたが、その輝きと悲劇は、長く人々の心に残り続けるでしょう。

もう一度検索