キスピウス

キスピウスの丘（ラテン語: Cispius, Mons Cispius）は、イタリアの首都ローマの中心部に位置する丘です。一般的にはエスクイリーノの丘（Mons Esquilinus）の一部とみなされており、その北側の一角をキスピウスの丘と呼んでいます。古代ローマ時代には、都市ローマ成立以前に人が定住したとされる初期の七丘の一つとして数えられていました。

古代ローマにおけるキスピウスの丘

キスピウスの丘は、古代ローマにおいて重要な意味を持つ場所でした。特に、12月11日に祝われるアゴナリア祭の一つである「七丘祭」では、祝われる七つの丘の一つとしてその名が挙げられています。初期の七丘には、キスピウスの他に、オッピウス、パラティウム、ウェリア、ファグタル、ケルマルス、カエリウスが含まれていました。これらの丘は、ローマという都市が形成される以前から人々が住み着いていた場所とされています。

ローマの七丘は、都市ローマの起源となった丘としてアウェンティヌス、カピトリヌス、カエリウス、エスクイリヌス、パラティヌス、クイリナリス、ウィミナリスの7つが知られています。これらの丘は、都市の発展とともにローマの中心部を形成する重要な要素となりました。さらに、現代ではアウェンティヌス、カピトリヌス、パラティヌス、クイリナリス、ホルトゥロルム、ヤニクルム、オッピウスの7つの丘がローマの七丘として認識されています。これらの変遷からも、ローマの歴史における丘の重要性が伺えます。

地形と周辺の見どころ

キスピウスの丘は、エスクイリーノの丘から南西方向に伸びる付け根の部分に位置しています。この付近には、ローマを代表する大聖堂の一つであるサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂が建っています。この大聖堂周辺の標高は約54メートルです。キスピウスの丘とオッピオの丘の間には谷間があり、かつてはスブッラから続く幹線道路が通っていました。この道は、セルウィウスの城壁を出る地点にエスクイリーナ門（現在はガッリエヌスの門）がありました。テルミニ駅の近くには、ローマ国立博物館のマッシモ宮分館があり、古代ローマの美術品や遺物を鑑賞することができます。

アクセス

キスピウスの丘へのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。周辺には地下鉄駅やトラムの停留所があり、オッピオの丘の北西側と南側の谷底に位置しています。

• - イタリア鉄道 ローマ・テルミニ駅
• - ローマ地下鉄A線/B線 テルミニ駅
• - ATACトラム Napoleone Terzo停留所およびFarini停留所

これらの交通機関を利用することで、ローマの中心部からのアクセスが容易です。キスピウスの丘周辺を散策する際は、これらの交通機関を有効に活用してください。

キスピウスの丘は、古代ローマの歴史を感じることができる場所であり、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂や周辺の歴史的な建造物と合わせて、ローマ観光の際には訪れておきたい場所の一つです。

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