エスクイリーノ

エスクイリーノの丘：古代ローマの歴史と多文化が交差する場所

エスクイリーノの丘は、ローマの七つの丘の中で最も標高が高く、面積も広い丘です。古代ローマ時代には、この丘は重要な役割を果たしており、多くの歴史的な出来事や建造物がこの地に建てられました。現在では、その歴史的な価値に加え、多様な文化が交差する場所としても知られています。

エスクイリーノの丘の地理

エスクイリーノの丘は、フォロ・ロマーノやコロッセオからテルミニ駅に至るカヴール通り、テルミニ駅、コロッセオからマッジョーレ門を結ぶラビカナ通りに囲まれたエリアに位置します。この地域は、古代ローマ時代にはオッピウス、ファグタル、キスピウスという高台（丘）に分かれて認識されていました。現代では、リオーネ・エスクイリーノという行政区画がありますが、この範囲は丘の北西部分に限られ、南西部分はモンティ地区に属しています。

古代ローマ時代の歴史

エスクイリーノの丘には、紀元前8世紀から人々が居住し始めました。この地には、古代ローマの歴史において重要な人物や出来事が数多く存在します。例えば、王政ローマの王セルウィウス・トゥッリウスはエスクイリーノに居を構え、政治家ガイウス・マエケナスはヘレニズム様式とペルシア様式を取り入れた庭園を造営しました。また、ネロ帝はオッピウス付近に巨大な宮殿ドムス・アウレアを建設しました。このドムス・アウレアは後に取り壊され、その跡地にはトラヤヌス浴場やコロッセオが建設されました。さらに、3世紀にはリキニウス庭園が造営され、その一部であるニンファエウムが現在でもテルミニ駅横に残っています。

ローマの七丘

ローマには、都市の起源となった初期ローマの七丘と、都市ローマの起源となった七丘、現代のローマ七丘が存在します。エスクイリーノの丘は、都市ローマの起源となった七丘の一つに数えられています。

初期ローマの七丘：オッピウス、パラティウム、ウェリア、ファグタル、ケルマルス、カエリウス、キスピウス

都市ローマの七丘：アウェンティヌス、カピトリヌス、カエリウス、エスクイリヌス、パラティヌス、クイリナリス、ウィミナリス

現代のローマ七丘：アウェンティヌス、カピトリヌス、パラティヌス、クイリナリス、ホルトゥロルム、ヤニクルム、オッピウス

見どころ

エスクイリーノの丘には、多くの見どころがあります。

オッピオの丘・ファグタルの丘：コッレ・オッピオ公園として整備されており、トラヤヌス浴場の跡やドムス・アウレアの遺構を見ることができます。また、ティトゥス浴場の跡も残っています。
キスピウスの丘：サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂が建てられており、その付近には古代の街道やエスクイリーナ門（ガッリエヌスの門）の跡が残っています。
エスクイリーノの丘北東部：テルミニ駅前にはローマ国立博物館マッシモ宮分館があり、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世広場にはニンファエウム・アレクサンドリの遺跡があります。また、マッジョーレ門付近には古代の水道橋の遺構が残っています。

現代の姿

20世紀末以降、リオーネ・エスクイリーノには中国人をはじめとする外国人居住者が増加し、イタリア最大の華僑コミュニティーが形成されています。この地域では、多文化が共存し、様々な国の文化に触れることができます。

アクセス

エスクイリーノの丘へのアクセスは、以下の通りです。

イタリア鉄道：ローマ・テルミニ駅
ローマ地下鉄A線：テルミニ駅、ヴィットーリオ・エマヌエーレ駅
ローマ地下鉄B線：テルミニ駅、カヴール駅、コロッセオ駅

エスクイリーノの丘は、古代ローマの歴史と現代の多様な文化が交差する魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。

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