キタホオジロガモ

キタホオジロガモ（北頬白鴨）

キタホオジロガモ（学名：Bucephala islandica）は、カモ目カモ科に分類される鳥類の一種で、美しい姿が特徴です。

分布

キタホオジロガモは、主に北アメリカ西部に分布しています。具体的には、アラスカ南部からカリフォルニア北部にかけての地域や、ラブラドル半島、グリーンランド南部、アイスランドなどで繁殖します。冬期は繁殖地の沿岸に留まることが多く、長距離の渡りはあまり行いません。しかし、一部の個体はカリフォルニア南部やアメリカ東海岸中部に渡り、越冬することが知られています。

日本では、迷鳥として北海道や岩手県で記録されたことがあります。そのため、日本で見られることは非常に稀です。

形態

キタホオジロガモの体長は約45cmで、翼を広げると67-84cmになります。雄の方がやや大きく、外見にも特徴的な違いが見られます。

雄成鳥: 頭部は青い光沢を帯びた黒色をしており、嘴の基部には三日月型の黒斑があります。背中は黒く、肩羽に白い斑があるのが特徴です。腹部は白く、飛翔時には翼上面の白色部分が2つに分かれて見える美しい姿をしています。
雌成鳥: 頭部は褐色で、頸の部分が白いのが特徴です。背中や腹部は灰褐色をしています。

生態

繁殖期には、内陸の湖沼や池の周囲に生息し、高い山地の池などでも見られます。非繁殖期は、繁殖地からそれほど離れていない湖沼や、内湾、海岸などに生息します。

キタホオジロガモは、ホオジロガモと非常に近縁な種とされていますが、習性はむしろヒメハジロと似ていると言われています。

食性は主に動物食で、水生昆虫や甲殻類、貝類などを食べています。

繁殖形態は卵生で、水辺近くの樹洞を利用して営巣しますが、岩の間に営巣することもあります。1腹9-11個の卵を産み、抱卵日数は32日です。

参考文献

桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、150頁
真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年
* 『世界の動物｜分類と飼育　ガンカモ目』、財団法人東京動物園協会、1980年、81頁

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