キバナオモダカ科

キバナオモダカ科（Limnocharitaceae）は、単子葉植物に属する科で、世界の熱帯地域に自生する水草です。この科は、3つの属と約12種から構成されています。これらの植物は、その大型で美しい花が特徴であり、観賞用として栽培されることもあります。

葉の形状は、線形または楕円形をしており、水中に沈んでいる場合は線形になることが多いです。これは、水流に対する抵抗を減らし、水中で効率的に光合成を行うための適応と考えられます。

科に属する3つの属のうち、Butomopsis属はB. latifoliaの1種のみからなり、アフリカ、東南アジア、オーストラリア北部に広く分布しています。この属は、他の2つの属と比較して、分布域が広いのが特徴です。

Limnocharis属（キバナオモダカ属）とHydrocleys属（ミズヒナゲシ属）は、熱帯アメリカ原産です。特に、ミズヒナゲシ（Hydrocleys nymphoides）は、その大きな花が美しく、「ウォーターポピー」や「キバナトチカガミ」という別名で呼ばれることもあり、観賞用に広く栽培されています。また、キバナオモダカ（別名：ヌマオオバコ）は、タイなどの熱帯地域では野菜として利用されており、地域によっては重要な食用資源となっています。

キバナオモダカ科は、かつてはハナイ科に分類されていましたが、その後の研究により、独立した科として扱われるようになりました。また、オモダカ科とは姉妹群の関係にあるとされています。APG植物分類体系では、当初は独立の科とされていましたが、APG第3版ではオモダカ科の一部として扱われるようになりました。分類学的な位置づけについては、研究が進むにつれて変遷を遂げています。

これらの植物は、水辺の生態系において重要な役割を果たしており、生物多様性の保全においても注目すべき存在です。

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