キプロス王国

キプロス王国

キプロス王国、またの名を「キプロスおうこく」は、中世に創設されたラテン系の王国で、十字軍国家の一つとして知られています。この王国は、第3回十字軍の際に十字軍によって征服され、その後、エルサレムから追放されたエルサレム王国の末裔によって治められました。

歴史的背景

イングランド統治時代

キプロス降伏の始まりは、イングランドのリチャード1世がエルサレム王国の救援に向かう途中、嵐の影響でキプロスに漂着したことから始まります。この時、ビザンツ帝国のイサキオス・コムネノスが島を制圧し、リチャード王の艦隊が遭遇する困難が発生しました。イサキオスはリチャード王の妹であるジョーンやベレンガリアを拘束し、敵対的立場を取ることとなりました。

リチャード王はイサキオスの悪行を理由にキプロスを占領する決意を固め、彼の軍と戦闘を繰り広げました。最終的に、キプロスの貴族たちはリチャード王に降伏し、領地や賠償金を提供し、彼の妹と花嫁を引き渡しました。この支配の結果、キプロス島はイングランド王国の一部として強く統治されました。

テンプル騎士団の影響

次に、ギー・ド・リュジニャンがエルサレム王国の女王シビーユと結婚し、その後キプロスにおいても影響力を持つ存在となります。彼は1194年に没した後、キプロス島は彼の兄エメリー・ド・リュジニャンの手に渡り、以後300年間、リュジニャン王朝の支配が続きます。

経済と貿易

リュジニャン王国の経済は主に農業に依存していましたが、同時にキプロスは東西貿易の重要な拠点として繁栄しました。特に、砂糖、ワイン、小麦などの農産物が輸出され、ファマグスタやニコシアの港は大いに栄えました。また、窯業や織物産業も発展し、中世の交易活動を活発化させました。

この農業と貿易の発展により、キプロスには多くの移民や商人が集まり、特にラテン系移民が経済活動の中心となりました。それに伴い、奴隷の需要も高まり、キプロスでの奴隷市の設立なども見受けられました。

外的影響と衰退

1291年にアッコンがマムルーク朝に陥落すると、キプロスはシリアに最も近いキリスト教徒の拠点となり、その重要性が高まりました。しかし、同時に、王家とイスラム勢力との抗争が続く中で、イタリアの都市国家に依存せざるを得なくなりました。1458年には、ジャック2世が即位しますが、彼の死後、カタリーナ・コルナーロが女王となり、1489年にはヴェネツィアに条件付きでキプロスを譲渡します。

このように、さまざまな要因が重なり、キプロス王国はその歴史に幕を下ろすこととなりました。

結論

キプロス王国は、中世の地中海において重要な役割を果たした国家であり、その独自の歴史と多文化共生の影響は、現代のキプロスにも痕跡を残しています。

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