キムコ

キムコの概要

キムコ（光陽工業）は、台湾・高雄市に本社を置くオートバイ製造会社です。この企業は、スクーターや全地形対応車（ATV）などを手掛け、台湾国内で最も大きなオートバイのメーカーとして知られています。特に新車販売シェアは30%以上を誇り、欧州市場でも強い影響力を持っています。

企業の歴史

1963年に設立されたキムコは、わずか1年後に正式に法人化され、本田技研工業との技術提携を開始しました。最初は主に250cc以下の小型バイクやスクーターの生産に注力していました。ホンダから技術を吸収しながら、三陽工業（SYM）と共同で生産を行い、ホンダブランドとして販売していましたが、後に独自ブランド「KYMCO」に移行しました。

キムコは現在、世界107か国で年間120万台以上のバイクを販売しており、その中にはBMWの電気自動車i3用エンジンや、BMWモトラッドのスクーターも含まれています。特に、ヨーロッパではスクーターとATVのいずれも重要なシェアを持っており、ドイツやスペインではスクーター市場で1位の座を確保しています。

日本市場での動向

日本では2000年に「株式会社キムコ・ジャパン」を設立し、正式に販売を開始しましたが、その後、取扱い会社が数度変わりました。最終的に2015年には、台湾の親会社が完全出資した新法人「キムコジャパン株式会社」によって、日本国内の業務が一新されました。これにより、ラインアップが従来の原付中心から125cc以上のモデルへと移行しました。

加えて、全地形対応車の販売も開始し、2020年時点では50ccから700ccの幅広いラインアップを展開しています。キムコジャパンは、地域のディーラーを通じて販売し、サポート体制も整えています。特に、部品供給においては過去に販売された車両に対しても部品の提供を行っており、消費者に対するアフターサービスも充実させています。

キムコの製品ラインアップ

キムコの製品は、各種スクーターやATV、さらにはサイドバイサイドと呼ばれる多機能な車両まで多岐にわたります。特にスクーター部門では、AK550などの高級モデルからアジリティ50のようなエントリーモデルまで多様な選択肢を提供しています。ATV部門では、MXUシリーズやMAXXERシリーズなどが人気です。

企業の未来

キムコは、2025年に日本市場からの撤退を発表しましたが、その後も多様な国際展開を進めており、新たな製品開発に向けての動きも見せています。特に、環境意識の高まりの中で電動スクーターの開発にも着手し、新しい技術を取り入れた製品も将来的に期待されています。こうした取り組みにより、キムコは今後もオートバイ業界での地位を維持し、さらなる成長を目指すでしょう。

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