キャサリン・パターソン

キャサリン・パターソン

キャサリン・パターソン（Katherine Paterson, 1932年10月31日生まれ）は、アメリカ合衆国を代表する児童文学作家です。彼女の作品は、多種多様なテーマを通じて若い読者に深い感動を与えることで知られ、数々の賞を受賞しています。

経歴

前半生

彼女は1932年、中国の江蘇省淮安で宣教師の家庭に生まれました。幼少期から家族は中国における戦乱や仕事の都合で頻繁に引っ越しを余儀なくされ、そのため安定した生活を得ることができず、孤独感に悩まされました。この孤独感を紛らわすために、彼女は若いうちから創作を始めます。

最初に習得した言語は中国語でしたが、英語の読み書きにも苦労しました。しかし、これを乗り越え、1954年にはテネシー州のキング大学を優等で卒業しています。その後、ヴァージニア州の小学校で教職に就いた後、キリスト教教育に関する研究で修士号を取得しました。

当初、彼女は宣教師として中国に行くことを希望していましたが、当時の国際的な状況からそれが実現することはありませんでした。代わりに、日本に4年間滞在し、その文化を学ぶことが彼女の著作に大きな影響を与えました。帰国後、ニューヨークでのさらなる研究を経て、長老派の聖職者ジョン・パターソンと出会い、1962年に結婚しました。メリーランド州に移り住んだ夫婦は、二人の実子と二人の養子を持つことになります。

作家時代

キャサリン・パターソンは1966年に最初の長編小説「Who am I?」を書きましたが、これは出版には至りませんでした。その後、1973年に日本の昔話を基にした「The Sign of the Chrysanthemum」を発表し、多くの読者の心を掴みます。

1977年の代表作『テラビシアにかける橋』では、愛や死といったテーマを扱った作品で、評価が分かれつつもニューベリー賞を受賞し、彼女の名を世に知らしめました。この他にも、全米図書賞や国際アンデルセン賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞など、多数の受賞歴を持っています。特に1981年には『海は知っていた』で再度ニューベリー賞を受賞するなど、彼女は数回にわたって受賞歴を重ねる、数少ない作家の一人となっています。

作風

パターソンの作品の特徴は、若い主人公が重大な選択を迫られ、自己犠牲を通じて成長していく点です。彼女は死や嫉妬といった重いテーマにも目を向ける作家であり、登場人物たちが直面する逆境をリアルに描写することをためらいません。苦難や葛藤を描く一方で、同情や共感をもって物語を紡いでいく彼女のスタイルは、多くの読者に深い印象を与えています。

作中の主人公たちは通常、孤独を抱える子供であり、自らの内面的な問題と向き合い成長していく過程が描かれます。そのため、作家自身の孤独で疎外された子供時代の影響が色濃く反映されていることが伺えます。

主要著作リスト

• - The Sign of the Chrysanthemum (1973)
• - Of Nightingales That Weep (1974)
• - The Master Puppeteer (1975)
• - Bridge to Terabithia (1977)
• - The Great Gilly Hopkins (1978)
• - Jacob Have I Loved (1980)
• - Rebels of the Heavenly Kingdom (1983)
• - Come Sing, Jimmy Jo (1985)
• - Park's Quest (1988)
• - Lyddie (1991)
• - Flip-Flop Girl (1994)
• - Jip (1996)
• - Preacher’s Boy (1999)
• - The Same Stuff as Stars (2002)
• - Bread and Roses, Too (2006)

彼女の作品には長編小説だけでなく、短編集や絵本も含まれており、幅広いジャンルで読者に楽しんでもらっています。

Terabithia.com（公式サイト）
やまねこ翻訳クラブ：キャサリン・パターソン作品リスト

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