キャシー・オドネル

キャシー・オドネルについて

キャシー・オドネル（Cathy O'Donnell）は、1923年7月6日にアラバマ州シルリアで生まれました。彼女の本名はアン・スティーリーで、12歳のときにオクラホマシティに引っ越しました。オクラホマシティ大学で演劇を学び、その才能を磨きました。

キャリアの始まり

1945年には、著名な映画プロデューサーであるサミュエル・ゴールドウィンに見初められ、彼と契約を結ぶことでキャシー・オドネルという名前を与えられました。同年、『天国と地獄』でノンクレジットの役で映画デビューを果たしました。しかし、本格的な出演は1946年に公開された『我等の生涯の最良の年』でのウィルマ・キャメロン役がきっかけとなりました。この映画での彼女の演技は評価され、特に顕著なのは、当時の主演男優フレドリック・マーチの代理としてオスカー像を受け取ったことです。

フィルム・ノワールと重要作品

オドネルはフィルム・ノワール作品に多く出演し、その才能が光ったのは1948年の『夜の人々』や1950年の『ザ・ミニヴァー・ストーリー』などです。後者ではミニヴァー夫人の娘ジュディを演じ、その存在感で観客に印象を残しました。さらに、1955年の『ララミーから来た男』では、名優ジェームズ・スチュワートとの共演が話題となり、彼女の評価を一層高めました。最終的な出演映画は1959年の『ベン・ハー』です。この作品はアカデミー賞を受賞し、オドネルのキャリアのイメージを確立しました。

プライベートライフ

彼女の私生活では、1948年に映画監督のウィリアム・ワイラーの兄であるロバート・ワイラーと結婚しました。この結婚は当時非常に注目され、ゴールドウィンは怒りを隠さず、オドネルとの契約を打ち切る事態にも発展しました。子供はいませんでしたが、夫婦間は円満であったと言われています。

結婚生活から22年後の1970年4月11日、キャシーはがんによる脳内出血でこの世を去りました。彼女はカリフォルニア州グレンデールのフォレスト・ローン・メモリアル・パークに埋葬されています。

彼女の遺産

キャシー・オドネルには広く認識されていない部分もありますが、彼女はフィルム・ノワールの重要な女優としてその系譜に名を残しています。共演者のファーリー・グレンジャーは、オドネルについて「特異な存在で愛らしく、恥ずかしがりやであった」と彼女の魅力を称賛しています。オドネルの映画業界への貢献は今も多くの映画ファンに覚えられており、その存在は決して忘れられることはないでしょう。彼女のフィルム・ノワールへの献身は、映画史において特筆すべきものです。

もう一度検索