キャッチウェイト

キャッチウェイトについて

キャッチウェイト（Catch weight）とは、プロボクシングや総合格闘技、キックボクシングなどの体重別階級制を取り入れている格闘技において、正規の体重制限ではなく、選手間の合意に基づいて決定された体重で試合が行われることを指します。日本語では「契約体重」という表現も使われていましたが、近年では「キャッチウェイト」を用いるケースが増えています。

キャッチウェイトが選ばれる理由

キャッチウェイトで試合が組まれる理由には、主に以下のようなケースがあります。
1. 異なる階級の選手同士が対戦するため
2. ノンタイトル戦とすることで、敗れた場合に保持する王座を失うリスクを避けるため

階級の異なる選手同士の対戦

近年のボクシング界では、階級が異なる選手同士がキャッチウェイトで試合を行うことがよく見られるようになっています。特に2007年に行われたバーナード・ホプキンスとロナルド・ライトの対戦では、両者の階級（ライトヘビー級とミドル級）の間の体重である170ポンドで試合が行われました。また、1940年にはヘンリー・アームストロングとルー・ジェンキンスの対戦が140ポンドのキャッチウェイトで行われたこともあります。

ノンタイトル戦としてのキャッチウェイト

ノンタイトル戦としてキャッチウェイトを利用する例も多々あり、例えば2012年の長谷川穂積対アルツロ・サントス戦では、当初はスーパーバンタム級で行われる予定でしたが、サントスがタイトルを保持していたためキャッチウェイトで行うことになりました。ほかにも、ルーカス・マティセー対ラモン・ピーターソンや、ケリー・パブリク対ジャーメイン・テイラーの試合もキャッチウェイトで行われています。

キャッチウェイトの問題点

キャッチウェイトに関しては、特にタイトルマッチの際に議論されることがあります。体重別階級制の意義が損なわれるのではないかという懸念が多くの専門家やファンから指摘されています。

パッキャオの多階級制覇への疑問

マニー・パッキャオがキャッチウェイトで何度も試合を行い、複数の階級での王座を獲得したことが疑問視されています。特に、2009年のミゲール・コット戦や、2010年のアントニオ・マルガリート戦では、規定体重を超えたキャッチウェイトで試合が行われ、これらの試合でパッキャオは勝利しました。このようにキャッチウェイトでの勝利が多階級制覇を可能にすることが、スポーツの公正性に対する疑問を呼んでいます。

故意の体重超過の問題

過去には選手が意図的に体重超過を行ったケースもあります。2009年にフロイド・メイウェザー・ジュニアがファン・マヌエル・マルケスとの試合で予定の体重を超過した際、彼が減量する気がなかったのではないかとの批判が起きました。このようなケースは、ルールの裏をかく行為として批判されています。

世界タイトルマッチにおけるキャッチウェイト

キャッチウェイトで行われた世界タイトルマッチは、格闘技の世界において特に注目されています。

まとめ

キャッチウェイトは、格闘技の試合において、異なる階級の選手たちが一堂に会するための手段として用いられています。しかし、その利用法には様々な問題点が内在しており、今後も議論が続くことでしょう。特にタイトルマッチにおいては、選手の公正な競争を保証するためのルールの見直しが求められることが多く、キャッチウェイトの取り扱いについてはさらなる議論が必要です。

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