キャデラック・XT5

キャデラックXT5は、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ（GM）が製造し、高級車ブランドであるキャデラックより販売される中型のクロスオーバーSUVです。

初代 XT5 (2017年 - 2024年)

初代XT5は、2015年にドバイとロサンゼルスで開催された自動車ショーでコンセプトモデルとして発表されました。翌2016年春には生産が開始され、キャデラックが導入した新しい車名命名規則に伴い、それまでの「SRX」から名称が変更されました。

販売面では、初代XT5はブランドの成長に大きく貢献しました。例えば、2017年上半期におけるキャデラックの販売台数は約3万台に達し、前年同期比で34％の増加を記録しましたが、この期間の販売のうち約44％をXT5が占めるなど、ブランド全体の販売拡大を牽引する中心的なモデルとなりました。

車体構造においては、一般的な溶接技術に加え、GMが特許を持つ独自の異素材接着技術が積極的に用いられました。鋼板を軽量な構造用接着剤で結合・溶接することで、車体全体の面剛性を高めつつ、不要な補強部材を削減。これにより、同クラスの車両と比較して顕著な軽量化を実現しています。

日本市場へは、「XT5 クロスオーバー」という名称で、2017年10月より導入が開始されました。当初は「ラグジュアリー」と「プラチナム」の2つのグレードが設定され、搭載エンジンは最高出力314psを発揮する自然吸気の3.6リッターV型6気筒DOHCでした。日本導入を記念した特別仕様車「ファーストリミテッドエディション」も限定20台で発売されました。

その後も、日本独自の特別仕様車が展開されます。2018年10月10日には、発売1周年を記念した「アーバンブラックスペシャル」が発表され、翌11日から販売が開始されました。また、2019年1月16日には一部仕様変更が実施され、ボディカラーに新色が追加されたほか、新世代のワイヤレス給電システムが搭載されるなど、継続的な改良が行われました。さらに、2022年10月20日には特別限定車「ラテエディション」が発売されています。

2代目 XT5 (2024年 -)

2代目となるキャデラックXT5は、2024年8月に中国でワールドプレミアを飾りました。先代からの進化として、エクステリアデザインが一新され、車体サイズも拡大されています。キャデラックの最新モデルに合わせたスタイリングとなり、アダプティブハイビームヘッドライトが改良されたほか、ホイールは20インチまたは21インチが選択可能になりました。また、オプションとして高性能な6ピストンブrenmboブレーキが設定されています。

インテリアは大幅に進化し、木材やアルミニウムといった高級素材が惜しみなく使用され、シートには柔らかなセミアニリンレザーが採用されています。最大の特徴は、メーターパネルとセンターコンソールのディスプレイが一体化された33インチの大型湾曲ディスプレイです。これはステアリングホイールの向こう側からダッシュボードの中央にかけて広がり、運転に必要な情報からインフォテインメント機能までを統合的に表示します。センターコンソールはフローティングデザインを採用し、15W対応のワイヤレス充電パッドやクリスタル仕上げのインフォテインメントコントロールノブが配置されるなど、モダンで機能的な空間が創出されています。この他にも、126色から選べるアンビエントライト、広大なパノラマサンルーフ、9.3インチのデジタルバックミラー、そして臨場感あふれるサウンドを提供する15スピーカー構成のAKGオーディオシステムなど、快適性と先進性を追求した装備が充実しています。

パワートレインは、最高出力227馬力（169kW; 230PS）を発生する2.0リッター直列4気筒ターボエンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたものが搭載されます。トランスミッションは9速オートマチックが組み合わされ、駆動方式は前輪駆動（FF）が標準ですが、オプションでツインクラッチ式の全輪駆動システムを選択することも可能です。

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