キャニオン初

アルバム概要

『キャニオン初』（キャニオンはつ）は、1986年12月28日にリリースされたとんねるずの3枚目のアルバムです。このアルバムは、彼らがキャニオンレコードに移籍して初めて発表した作品であり、タイトルはそのために名付けられました。

ジャケット写真にはとんねるずの顔が描かれ、その背景には数え切れないほどの唐辛子が敷き詰められたユニークなデザインが施されています。アルバム制作にあたっては、これまでのビクター音楽産業時代に関与していた「秋元康・見岳章」とは異なり、作曲家には後藤次利が全面的に参加しました。これにより、とんねるずの音楽スタイルにも新たな変化がもたらされました。

後藤次利の他にも、石橋貴明と木梨憲武のソロ曲では玉置浩二や久保田利伸が参加しており、久保田はデビューしたてでしたが業界内での評価は高いものでした。4曲目に収録された木梨のソロ曲には、久保田のヒット曲『流星のサドル』を模したパートが含まれ、木梨なりのユーモアが表現されています。

収録曲

このアルバムには以下のような楽曲が収録されています。

1. Instrumental～森のおねぼうプーさん
- 作曲・編曲: 高田弘
- 作詞: 秋元康
- コーラス・弦編曲: 高田弘

2. 哀しみのシーサイドルート
- 作詞: 秋元康
- 作曲・編曲: 後藤次利
- コーラス編曲: 木戸やすひろ
- 杉山清貴＆オメガトライブのパロディが含まれ、2番の歌詞には「Car Radioに流れたオメガトライブ遠いあの日のLove Song」というフレーズが登場します。

3. 老人よ
- 作詞: 秋元康
- 作曲・編曲: 後藤次利
- コーラス編曲: 高田弘

4. ENDLESS NIGHT―ほっといてくれ―
- 作詞: 久保田憲伸（木梨のペンネーム）
- 作曲: 久保田利伸
- 編曲: 武部聡志・杉山卓夫
- 木梨のソロ曲であり、編曲には久保田のデビューアルバムに関与した武部と杉山が参加しています。

5. 迷惑でしょうが…
- 作詞: 秋元康
- 作曲・編曲: 後藤次利
- 1987年4月5日にシングルとしてリリースされました。

6. ホテル「アルゼンチン」
- 作詞: 秋元康
- 作曲・編曲: 後藤次利
- 売り込んだラブホテルを取り上げた歌詞にはうなぎパイや落書き帳の言葉が使われています。

7. 人情岬
- 作詞: 秋元康
- 作曲: 後藤次利
- 編曲: 高田弘

8. マスカレードパーティー
- 作詞: 秋元康
- 作曲・編曲: 後藤次利
- 日本テレビの番組『コラーッ!とんねるず』の第2期テーマソングで、少年隊へのパロディが込められています。

9. この瞬間（とき）から今…
- 作詞: 石橋貴明
- 作曲: 玉置浩二
- 編曲: 武部聡志・杉山卓夫
- 石橋のソロ曲です。

このアルバムは、従来のスタイルに新たな要素を取り入れたことで、とんねるずの成長を示すとともに、音楽シーンにおける彼らの存在感を強く印象づける作品となりました。

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