迷惑でしょうが…

シングル「迷惑でしょうが…」の魅力

1987年4月5日にリリースされたとんねるずのシングル「迷惑でしょうが…」。この曲は彼らの11枚目のシングルとして発表されましたが、ただの楽曲ではなく、特定のドラマを彷彿とさせる要素が満載です。特に、イントロや間奏における石橋貴明の語りは、萩原健一主演のドラマ『前略おふくろ様』を連想させる効果を持っており、聴く者に懐かしい感覚を呼び起こします。

この曲は、アルバム『キャニオン初』からの先行シングルとしてカットされましたが、シングルへのリリースに際して再録音されていることが特徴です。実際、アルバムのバージョンでは、石橋と木梨憲武が萩原の物真似をしながら歌う様子が見受けられ、ユーモアが詰まったパロディソングとしての側面を持ち合わせています。これは、とんねるずのレギュラー番組『とんねるずのみなさんのおかげです』が始まる前から、定番となっていたパロディコントのスタイルを彷彿とさせます。実際、このシングル化にあたって変更されたセリフは、先行アルバム版とは一部異なっており、これが新たな楽しみを加えています。

また、歌詞の中では八代亜紀の名前も登場するなど、視聴者や聴衆にとって親しみやすい内容が特徴的です。

この楽曲の音楽的な特徴としては、作曲と編曲を担当した後藤次利の独自のアイデアが光ります。レコーディングに参加したスタジオミュージシャンたちのパートを変更し、本来の楽器と異なる楽器を演奏させるという試みが行われました。たとえば、ギタリストの今剛がドラムを演奏し、ドラマーの山木秀夫がベースを担当、さらにベーシストの後藤がギターを演奏するなど、メンバーの新たな才能が引き出されています。

ジャケットデザインに関しても興味深い変更があります。本作以降、バーコード記載スペースの大きさが縮小されているのも、ちょっとした注目ポイントです。

さらに、この曲はフジテレビ系の人気番組『オレたちひょうきん族』内の「ひょうきんベストテン」にも登場しました。とんねるずに扮した「ゆーとぴあ」がこの楽曲を披露し、観客を楽しませました。この時の新聞テレビ欄には「ゴムひもとんねるず」と表記されるなど、そのインパクトは確かなものでした。

このシングルには、以下の収録曲が含まれています。

• - 迷惑でしょうが…

作詞：秋元康、作曲・編曲：後藤次利

• - 雪どけ川

作詞：秋元康、作曲：後藤次利、編曲：高田弘

また、「迷惑でしょうが…」のカヴァーも存在し、五木ひろしのアルバム『追憶 ベストコレクション』（1987年）や、神野美伽のアルバム『夢のカタチ』（2018年）に収録されています。これにおいては、後藤次利のベース演奏に俳優の國村隼が台詞を提供する形で、新たな解釈が加えられています。

とんねるずの「迷惑でしょうが…」は、単なる音楽作品を超えた文化的象徴として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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