キャンプ・レモニエ

キャンプ・レモニエ：アフリカにおける米軍の要衝

キャンプ・レモニエは、ジブチ共和国のジブチ国際空港に隣接するアメリカ海軍の基地であり、アフリカにおける唯一の恒久的な米軍拠点です。この基地は、アメリカアフリカ軍（USAFRICOM）隷下の「アフリカの角」地域統合任務部隊（CJTF-HOA）の拠点として機能しており、地域における米軍の活動を支える重要な役割を担っています。

基地の概要

キャンプ・レモニエは、元々フランス外人部隊の基地として設立されました。2002年にジブチ政府によって米国にリースされ、以来、アフリカの角における不朽の自由作戦（OEF-HOA）を支援する拠点として、また、アフリカ大陸各地に広がる米軍の監視ドローン基地ネットワークの中心的存在として機能しています。基地の戦略的な位置づけから、ペルシャ湾地域での空中作戦のハブとしても活用されています。

ジブチはアデン湾と紅海を隔てるバブ・エル・マンデブ海峡に面しており、スエズ運河への重要な通り道となっています。そのため、中国海軍やフランス空軍、イタリア軍、日本の自衛隊など、多くの外国軍の基地も周辺に存在しています。

歴史

キャンプ・レモニエは、かつてフランス軍が使用していた施設であり、第二次世界大戦中に仏領インドシナで戦死したエミール・ルモニエ少将にちなんで命名されました。2001年の同時多発テロを契機に、米国はテロ対策を強化し、2002年には「アフリカの角」地域統合任務部隊（CJTF-HOA）を創設しました。

当初、基地は荒廃した状態でしたが、米軍の迅速な改修作業により、2003年にはCJTF-HOAの拠点として本格的に運用が開始されました。その後も拡張工事が進められ、現在では広大な敷地と充実した施設を備えています。2010年代には、中国軍基地からのレーザー照射事件も発生し、地域の緊張を高める要因となりました。

作戦拠点としての機能

キャンプ・レモニエは、CJTF-HOAの司令部が置かれているほか、特殊部隊の活動拠点としても機能しています。また、ドローン作戦の重要な基地であり、イエメンやソマリアなど、周辺地域での監視活動や作戦を支援しています。基地内には、JSOC（統合特殊作戦コマンド）の要員も駐在しており、地域における対テロ作戦の中枢を担っています。

基地の拡張は現在も続けられており、今後もアメリカ軍のアフリカにおけるプレゼンスを維持・強化するための重要な拠点となるでしょう。

指揮権移管と駐留部隊

2008年10月1日には、統合任務部隊の指揮権がアメリカ中央軍（USCENTCOM）からアメリカアフリカ軍（USAFRICOM）へと移管されました。キャンプ・レモニエには、海兵隊の警備部隊、海軍の施設部隊、陸軍の訓練部隊、そして複数の航空機分遣隊が駐留しています。過去には、陸軍州兵部隊も駐留しており、部隊のローテーションを通じて基地の警備や支援活動が行われています。

航空部隊としては、空軍の救難部隊や輸送部隊、海兵隊の大型輸送ヘリコプター、海軍の攻撃支援オスプレイなどが配備されています。

基地での生活

キャンプ・レモニエでは、隊員がレクリエーションを楽しむための施設も充実しています。基地内には、レクリエーションセンター、プール、ジムなどが設けられており、隊員は余暇をこれらの施設で過ごすことができます。また、一部隊員はジブチ市内や周辺地域への旅行を許可されることもあります。

まとめ

キャンプ・レモニエは、アフリカの角における米軍の活動を支える上で、極めて重要な基地です。その戦略的な位置づけから、テロ対策、地域安定化、そして米軍のプレゼンス維持という多岐にわたる役割を担っています。今後も、アフリカにおける米軍の活動を支える要として、その重要性は増していくと考えられます。

脚注

（省略）

関連項目

ジブチ保障基地 - 中国人民解放軍海軍の基地
ジブチ共和国における自衛隊拠点
ジブチ国際空港
アメリカ軍基地の一覧

外部リンク

（省略）

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