キリシマツツジ

キリシマ（霧島、学名: Rhododendron obtusum）は、ツツジ科に属する常緑低木の一種で、別名キリシマツツジとして知られています。

特徴

キリシマは、4月から5月にかけて小さなかわいらしい花を咲かせます。その美しい姿から、庭木や公園木として利用されるほか、鉢植えや切花としても親しまれています。また、数多くの園芸品種が存在することも特徴です。

歴史

キリシマツツジは、鹿児島県の霧島山に自生するツツジの中から、江戸時代初期に選抜されたものが起源とされています。関東地方の土壌がキリシマの生育に適していたことから、江戸を中心に爆発的な人気を博しました。

日本最古の園芸書である『花壇綱目』（1681年）や『錦繡枕』（1692年）には、すでに多数のキリシマツツジの品種が記載されています。その後、キリシマツツジは全国へと広がり、各地に古木が残っています。また、江戸時代末期から明治時代にかけては、日本から欧米へ輸出され、現在でも重要な造園用樹として広く利用されています。

伝説

宮崎県えびの市にあった大河平小学校の庭には、「大河平つつじ」と呼ばれるキリシマツツジが植えられていました。このツツジは真紅に染まっており、他の場所に移植してもこの鮮やかな赤色にはならないという伝説が残っています。

分類

大隅半島と薩摩半島に分布するサタツツジ（佐田躑躅、別名ヒメマルバサツキ、学名: Rhododendron sataense）を、キリシマツツジ（R. obtusum）に含めるという見解もあります。

参考文献

* 『園芸植物大事典』3（小学館、1989年）ISBN 4-09-305103-8

キリシマツツジは、その美しい花と歴史的背景から、日本の園芸文化において重要な位置を占める植物です。

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