キリスト友会婦人外国伝道協会

キリスト友会婦人外国伝道協会（Foreign Missionary Association of Friends of Philadelphia）は、フレンド派、別名クエーカー教徒の海外宣教団体であり、「フィラデルフィア・フレンド婦人外国伝道協会」とも呼ばれます。

フレンド派は17世紀のイギリスで生まれ、1657年頃にアメリカへ伝わりました。ペンシルベニア州のフィラデルフィアは、クエーカー教徒の都市として発展しました。

1882年、そのフィラデルフィアでフィラデルフィア・フレンド婦人外国伝道協会が組織されました。創設者はメアリ・ハリス・モリス（Mary Harris Morris, 1836-1924）です。彼女はペンシルバニア鉄道の経営陣の一人であった富豪、ウィスター・モリス（Wistar Morris, 1815-1891）の妻でした。1870年に家族でエジプトなど中東を旅した際、アメリカ人宣教師の活動に触発され、協会の設立を思い立ち、代表となりました。内村鑑三、新渡戸稲造との出会いがきっかけとなり、日本での宣教が始まりました。

1885年には、ジョセフ・コサンドを最初の宣教師として日本へ派遣し、本格的な宣教活動を開始しました。津田仙、W・W・ホイットニーらの協力を得て、1887年には普連土女学校（現在の普連土学園）を設立しました。1888年には「月会」と呼ばれる集会を開催し、1890年にはフレンド派最初の教会である芝普連土教会を建設しました。

1892年、男子会員の入会を認め、協会は年会の伝道局となり、日本委員会となりました。しかし、1894年の日清戦争を機に、平和主義を貫く宣教師と、戦争の正当性を主張する日本人フレンドとの間に意見の相違が生じました。芝普連土教会の若い会員たちが戦争を義戦と捉え、「清韓事件基督教同士会」への参加を議論する一方で、宣教師たちは非戦論を主張しました。開戦から3ヶ月後の1894年10月31日、宣教師たちは「月会」を退会し、教会は混乱の末に自然消滅してしまいました。その後、宣教師たちは少数の日本人フレンド会員とともに教会を再組織しました。

1900年には、宣教師の中心人物であったコサンドが伝道協会と対立し、辞職しました。1917年には日本年会が組織され、1941年の日本基督教団成立時には、第3部に参加しました。戦後、日本基督教団を離脱し、1947年に日本年会が復活しました。


参考文献

『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

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