キリスト教民主フラームス

キリスト教民主フラームス（CD&V）：ベルギーを彩る中道右派政党

キリスト教民主フラームス（Christen-Democratisch en Vlaams, CD&V）は、ベルギー・フランデレン地域を基盤とする中道右派政党です。その歴史は古く、1884年に設立されたカトリック党にまで遡ります。その後、カトリック連合、カトリック・ブロックと改称しながら、自由党、労働党と共にベルギーの三大政党として勢力を伸ばしました。

第二次世界大戦後、キリスト教社会党（PSC-CVP）として再出発。1968年、フランデレン地域（オランダ語圏）とワロン地域（フランス語圏）の対立激化を背景に、オランダ語系のキリスト教人民党（CVP）とフランス語系のキリスト教社会党（PSC、現在の民主人道主義中道派）へと分裂します。

CVPは分裂後もフランデレン地域で第一党の地位を維持し、ティンデマンス、マルテンス、デハーネといった首相を輩出しました。しかし、1999年の選挙で議席を大幅に減らし、野党転落。これを機に党改革に着手し、2001年に現在の「キリスト教民主フラームス（CD&V）」へと改称しました。

改称後、CD&Vは伝統的なキリスト教系労働組合に加え、フランデレン地域主義運動からの支持獲得を目指しました。2007年の総選挙では、新フラームス同盟（N-VA）と統一会派を組んで上下両院で第一勢力に躍進。イヴ・ルテルム首相率いる連立内閣を誕生させ、再び政権の中枢を担いました。

しかし、2010年の総選挙では第4党に転落。N-VAが与党参加を拒否したことで連立交渉は難航し、535日もの時間を要して、社会党の首相が誕生。CD&Vは、この政権に参加することになります。2014年の総選挙では18議席を獲得するも、政権の座には就けませんでした。

CD&Vは、ヨーロッパレベルでは欧州人民党に、世界レベルでは中道民主インターナショナルに加盟。ベルギー南部のワロン地域の民主人道主義中道派とは緊密な関係を保っています。

主要人物

* ヘルマン・ファン・ロンパウ：CD&V所属。2008年から2009年まで首相を務め、その後は欧州理事会常任議長（2009-2014年）として活躍しました。

選挙結果の変遷

CD&Vは、その歴史の中で、ベルギー政界における主要な担い手として、幾多の選挙を経験してきました。選挙結果の変遷は、ベルギー社会の変容や、地域対立、政党間の力関係などを反映しており、今後の動向も注目に値します。詳細な選挙結果については、関連資料を参照ください。

まとめ

キリスト教民主フラームスは、ベルギー、特にフランデレン地域における歴史と伝統を有する政党です。その変遷は、ベルギーの政治状況や社会情勢と深く結びついており、今後もベルギー政治において重要な役割を果たしていくことが予想されます。カトリックという伝統的な基盤をもちながらも、時代に合わせて変化を遂げ、現代社会の課題に対応しようとする姿勢は、注目に値します。今後、CD&Vがどのような政策を打ち出し、ベルギー社会に貢献していくのか、引き続き注目していきましょう。

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