キルミーのベイベー!/ふたりのきもちのほんとのひみつ

「キルミーのベイベー!／ふたりのきもちのほんとのひみつ」は、2012年1月18日にポニーキャニオンよりリリースされた両A面シングルです。

このシングルには、テレビアニメ『キルミーベイベー』のために制作された、個性的なオープニングテーマ「キルミーのベイベー!」とエンディングテーマ「ふたりのきもちのほんとのひみつ」が収められています。劇中で主要キャラクターである折部やすなを演じる赤﨑千夏氏と、ソーニャを演じる田村睦心氏がボーカルを担当しています。

両楽曲とも、実験的かつユニークな音楽で知られるモンドミュージックユニットEXPOがサウンドプロデュースを全面的に手がけ、作詞・作曲にも深く関与しています。特にオープニングテーマ「キルミーのベイベー!」には、ギタリストの今堀恒雄氏やドラマーの佐野康夫氏といった著名なミュージシャンも参加しており、そのサウンドに彩りを加えています。

各収録曲は、その独特な世界観が特徴です。

キルミーのベイベー!
藤本功一氏作詞、EXPO作曲・編曲によるこの楽曲は、ロシア民謡を思わせるような2ビートに乗せたアバンギャルドなサウンドが印象的です。サビ部分では変拍子を多用するなど、一般的な楽曲構成とは一線を画しており、歌唱を担当した赤﨑氏が「歌として成立するのか」と疑念を抱いたほど実験的な作りとなっています。また、無表情なキャラクターであるソーニャを演じる田村氏にとっても、レコーディングは非常に苦労したエピソードが明かされています。

ふたりのきもちのほんとのひみつ
藤本功一氏と松前公高氏が作詞、松前公高氏が作曲・編曲を手がけたエンディングテーマです。和楽器を巧みに取り入れた歌謡曲風のメロディが耳に残ります。赤﨑氏が「ムーディーで懐かしい気持ちになる」と評するように、どこか郷愁を誘う雰囲気がありますが、楽曲の合間には突如として宇宙的なサウンドが挿入されるなど、EXPOらしいサプライズも盛り込まれています。

本シングルは、3種類の異なる仕様で発売されました。それぞれ「【起】盤」「【承】盤」「【転】盤」と名付けられ、共通のオリジナル楽曲（とそのカラオケバージョン）に加え、各盤に独自の趣向を凝らしたリミックスやリアレンジ曲が収録されています。

【起】盤収録リミックス・リアレンジ
キルミーのベイベー!のさらにウザいやつ (リミックス：松前公高)
ふたりのきもちのほんとのひみつ 骨折篇 (リアレンジ：EXPO)
ボーナストラック・CM風ショートコント「思いついてみた!」

【承】盤収録リミックス・リアレンジ
キルミーのベイベー!のウザくないやつ (リアレンジ：山口優)
ふたりのきもちのほんとのひみつ（without MEGANE Mix） (リミックス：藤本功一)
ボーナストラック・CM風ショートコント「勝手にしやがるな！」

【転】盤収録リミックス・リアレンジ
キルミーのベイベー!2062 (リアレンジ：山口優)
ふたりのきもちのほんとのひみつ iMS-20 for iPad Mix (リミックス：松前公高)
ボーナストラック・CM風ショートコント「どうしてこうなった!」

さらに、各盤のジャケットイラストもそれぞれ異なり、3枚全てを並べると一つの4コマ漫画が完成するという仕掛けも施されていました。4コマ漫画の「オチ」となる絵は、【転】盤に封入されています。このような凝った仕様も話題を呼びました。

その独特な楽曲とユニークなプロモーションが功を奏し、発売から3週間で累計1万枚を超える売上を達成するなど、商業的にも一定の成功を収めたシングルです。アニメの世界観を音楽で見事に表現しつつ、既存のアニソンとは一線を画すアプローチでファンを魅了しました。

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