今堀恒雄

今堀恒雄

今堀恒雄（いまほり つねお、1962年12月5日 - ）は、日本のギタリスト、作曲家として知られています。彼は佐藤允彦、加古隆らに音楽理論を師事し、独自の音楽性を確立しました。

経歴

1974年、12歳でギターを始めた今堀は、バート・ヤンシュなどのブリティッシュ・トラッドに傾倒しました。1975年には東京音楽アカデミーでクラシックギターの通信教育を受け、基礎を磨きました。1986年、音楽学校メーザー・ハウスで菊地成孔と出会い、「ティポグラフィカ」を結成。このバンドで、彼の音楽キャリアは大きく開花します。

1989年、山下洋輔のツアーでアフリカを訪れたことが、彼の音楽観に大きな影響を与えました。現地の民族音楽のリズムの「訛り」に触発され、自身にも特有の音楽的表現があることを確信。「訛り・揺らぎ」を特徴とする独自の作曲法を確立しました。1991年から1995年まで、清水一登の「おU」に参加し、音楽性をさらに深めました。1997年にはティポグラフィカを解散し、ソロプロジェクト「ウンベルティポ」を始動。1999年からは井上陽水のツアーに参加するなど、多岐にわたる活動を展開しています。2004年には、ベースにナスノミツル、ドラムスに佐野康夫を迎え、「ウンベルティポ・トリオ」としてのライブ活動も開始しました。

音楽性

今堀の音楽性は、フランク・ザッパやアンディ・パートリッジのような鋭いフレージングのプレイヤーから、バート・ヤンシュのような装飾的で柔和なメロディを持つギタリストまで、幅広い影響を受けています。

菊地成孔、藤本敦夫、水上聡、外山明らを擁したティポグラフィカ時代には、リズムや旋律のアバウトな「訛り・揺らぎ」を細分化された音符によって極限まで突き詰めた音楽で、独自の地位を確立しました。この音楽性は、一般的に「ノリ」「こぶし」と呼ばれるものを、より深く、緻密に追求したものです。

現在では、自身がルーツとするアフリカ音楽をベースにしたトリオ編成のインストバンド"unbeltipo trio"で、[ナスノミツル]、[佐野康夫]らと精力的に活動しています。また、自身名義の活動以外にも、ジョン・ゾーン、遊佐未森、高野寛、かの香織など、国内外の様々なミュージシャンと共演、共作、プロデュースを行っています。現在は井上陽水のツアーにおいてサポートギタリストを務めるなど、その活動は多岐にわたります。

アニメーション音楽の分野にも活動範囲を広げており、『トライガン』『はじめの一歩』『ガングレイヴ』など、マッドハウス制作作品の音楽監督を担当。菅野よう子の作品では、実質的なバンドマスターを務めるなど、その才能を発揮しています。

ディスコグラフィー

今堀恒雄は、ソロ名義、バンド、サウンドトラックなど、多岐にわたる作品をリリースしています。以下に代表的なものを紹介します。

What wasn't done（2020年9月 Sistema Record）
What wasn't done Remastered（2022年8月 Sistema Record）
Tipographica (1993-1997)
unbeltipo (1999-)
おU (2003)
吉田達也・今堀恒雄
NO-MAD
OTOCONTE
Yolcu-Yoldaş (ヨルジュ・ヨルダシュ)

その他、多数のサウンドトラック、CM音楽を手がけています。詳細は外部リンクを参照ください。

外部リンク

(株)システマ 所属事務所のサイト
un3bel3tipo3 YouTube公式チャンネル
Yolcu-Yoldaş 太田惠資ウェブサイト。アルバム情報、今堀恒雄インタビューあり。

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