キングスマウンテンの戦い

キングスマウンテンの戦い

キングスマウンテンの戦いは、1780年10月7日にアメリカ独立戦争の南部戦線において発生しました。この戦いは、愛国者と王党派との間で行われ、アメリカ独立運動にとって非常に重要な意味を持っています。愛国者軍の勝利により、イギリス軍の指揮官チャールズ・コーンウォリスが期待していた王党派の支援が失われました。後の時代において、セオドア・ルーズベルトはこの戦いを「アメリカ独立戦争の転換点」と称しました。

背景

戦いの背景には、1780年8月16日のキャムデンの戦いがあり、ここで大陸軍は巨大な敗北を喫しました。イギリス軍はチャールズ・コーンウォリスの指揮のもと、ジョージアとサウスカロライナを支配下に置き、次なるノースカロライナ侵攻の計画を立てました。しかしながら、サウスカロライナでは内戦が激しく、イギリス軍は王党派の民兵を集めてこの地域の支配を試みました。当時、大陸軍の南部方面軍は機能不全に陥っており、愛国者軍の指導者たちは奇襲攻撃を決意しました。

愛国者軍の結成

愛国者軍は、アイザック・シェルビー、イライジャ・クラーク、チャールズ・マクダウエルといった大佐によって率いられた民兵から成り、約900名が集結しました。彼らは「オーバー・マウンテン部隊」と呼ばれ、王党派の前哨部隊への奇襲を試みました。一方、コーンウォリスは民兵を指揮するためにパトリック・ファーガソンを派遣しました。

戦闘の展開

1780年10月7日、愛国者軍は夜明け前にキングスマウンテンへ接近し、8つの部隊に分かれて攻撃を開始しました。ジョン・セビアとウィリアム・キャンベルが率いる2つの部隊が山の高所を急襲し、他の部隊が主力に攻撃を仕掛けました。愛国者軍は弾丸や木の陰を巧みに利用し、王党派の兵士を狙撃しましたが、ファーガソンの反撃もありました。

ファーガソンは果敢に部隊を指揮し、自ら銃剣による攻撃を指示しました。しかし、彼の部隊は次第に疲弊し、状況は愛国者軍が有利に進展しました。数時間の戦闘の中で、ファーガソンは戦死し、その指導者を失った王党派軍は戦意を喪失。多くが武器を下ろして降伏を始めました。愛国者軍は捕虜を取るよりも復讐の念が強く、戦闘は熾烈を極めましたが、最終的に約700名を捕虜にしました。

戦闘後の影響

負傷者と死者が出た戦闘の結果、王党派軍は157名が戦死、163名が重傷を負い、698名が降伏しました。一方、愛国者軍は28名が戦死、62名が負傷しました。戦後、降伏した王党派の捕虜は連行され、寝返った者は厳しい粛清を受けました。

この戦いの消息は、ワトーガ開拓地のジョセフ・グリアによって大陸会議に伝えられ、会議は勝利の報告を受けて士気を高めました。その後、1931年にはキングスマウンテン国立軍事公園が設立され、今日でも多くの観光客が訪れる名所となっています。戦争の歴史を後世に伝える重要な場所です。

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