キングズガード

キングズガード：王の盾を背負った競走馬の軌跡

2011年4月21日生まれの競走馬、キングズガード。その名にふさわしく、日本のダート界で長く活躍した名馬の一頭として記憶されている。馬名の由来は「王の盾」であり、その力強さと風格を彷彿とさせる名前だ。デビューは3歳を過ぎてからの遅咲き。2014年5月の京都競馬場での初陣は6着と振るわなかったものの、続くレースで初勝利を掴むと、条件クラスを駆け上がっていく。

5歳となった2016年には、鳴門ステークスと栗東ステークスを制覇し、オープン入りを果たす。重賞初挑戦となったプロキオンステークスでは3着と好成績を残し、その潜在能力の高さを示した。この年、所属していた田中章博調教師が急逝するという不幸に見舞われるも、音無秀孝厩舎、そして寺島良厩舎へと移籍し、エニフステークスを制覇するなど活躍を続けた。武蔵野ステークスでは4着と健闘を見せ、着実に実力を付けていった。

6歳（2017年）は、キングズガードにとって飛躍の年となった。根岸ステークスやフェブラリーステークスなど、GIレースにも挑戦。黒船賞では惜しくも2着に終わったものの、その経験が後の活躍に繋がったことは間違いないだろう。そして迎えた7月9日のプロキオンステークス。後方から鋭く追い込み、最後の直線で力強く抜け出し、見事重賞初制覇を飾った。この勝利は、キングズガードのこれまでの努力と才能が結実した瞬間と言えるだろう。続く南部杯では3着、みやこステークスでは3着とGI/JpnIレースでも高いレベルで戦い続けた。

7歳から9歳にかけては、根岸ステークスや黒船賞、かきつばた記念などで2着に入るなど安定した走りを続けたものの、勝利には届かず。2020年2月のフェブラリーステークスが現役ラストランとなり、4月17日付で競走馬登録を抹消、引退した。

引退後は生まれ故郷の日進牧場で乗馬として穏やかな余生を送っていたが、2022年4月29日、11歳という若さでその生涯を閉じた。多くのファンに惜しまれつつ、伝説の名馬として記憶に刻まれることとなった。

キングズガードの血統背景も興味深い。全弟のキングズソードは、2023年のJBCクラシックと2024年の帝王賞を制覇した名馬として知られる。さらに、3代母ハローキティーの半兄には1991年東京新聞杯勝ち馬のホリノウイナー、4代母ハードエントリーの半兄には1980年京都4歳特別勝ち馬のタカノカチドキがおり、優れた血統を受け継いでいたことがわかる。

キングズガードの競走生活は、決して平坦な道ではなかった。しかし、その粘り強さと才能、そして関係者たちの支えによって、多くの感動と記憶を残した。王の盾を背負い、ダートを駆け抜けたその生涯は、多くの競馬ファンにとって忘れられないものとなるだろう。

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