キングダム・オヴ・デザイア〜欲望の王国〜
TOTOの『キングダム・オヴ・デザイア〜欲望の王国〜』（原題：Kingdom of Desire）は、1992年に世に送り出されたバンドにとって通算8作目のスタジオ・アルバムです。
この作品の制作過程は、TOTOの歴史の中でも特異な時期にあたります。前作『ザ・セヴンス・ワン〜第7の剣〜』の発表後にそれまでのリードボーカリストがバンドを離れ、代わって新しいボーカリストが迎えられました。しかし、その体制は長く続かず、ベスト・アルバムのリリースとそれに伴うツアーを終えると、そのボーカリストも脱退することになりました。
バンドは新たな専任ボーカリストを探すのではなく、それまでギターを担当していたスティーヴ・ルカサーがメインボーカルを務めるという、TOTOとしては初めての試みで本作を制作することを決めました。元々、TOTOはインストゥルメンタル担当のメンバーがリードボーカルをとることは珍しくありませんでしたが、専任のボーカリストが存在しないラインナップは、この時が初めてのことでした。
アルバムの完成後、そして発売を目前にした悲劇として、バンドの創設メンバーでありリーダー、そして稀代のドラマーであったジェフ・ポーカロが急逝しました。この出来事により、『キングダム・オヴ・デザイア』は図らずもジェフ・ポーカロの遺作となりました。
アルバム発表後に行われたワールドツアーは、ジェフへの追悼ツアーという意味合いも持ちました。急遽必要となったドラマーの代役には、後にTOTOの正式メンバーとなる名手サイモン・フィリップスが迎えられました。
サウンド面においても、本作はTOTOの従来のイメージとは異なる変貌を遂げています。これまでの作品で中心となっていたAORやポップロック色は影を潜め、シンセサイザーの比重も抑えられています。代わりに、スティーヴ・ルカサーの強靭なギタープレイがサウンド全体を牽引し、ハードロック色の強い、よりエネルギッシュな楽曲が多数収録されています。
ルカサーのボーカルスタイルも、このアルバムで大きな変化を見せました。それまでの比較的柔らかい声質とは異なり、本作ではしゃがれた、力強いハスキーボイスを多用しています。このボーカルの変化も、アルバム全体のハードなサウンドに貢献しています。
本作には以下の13曲が収録されています。（括弧内は共作者や特記事項）
1. ジプシー・トレイン – 6:45
2. ドント・チェイン・マイ・ハート – 4:46
3. ネヴァー・イナフ (TOTO、Fee Waybill) – 5:45
4. ハウ・メニィ・タイムズ – 5:42
5. 2ハーツ – 5:13
6. ウィングス・オヴ・タイム – 7:27
7. シー・ノウズ・ザ・デヴィル – 5:25
8. ジ・アザー・サイド (David Paich、R. Kaplan、Billy Sherwood) – 4:41
9. オンリー・ユー – 4:28
10. キック・ダウン・ザ・ウォールズ (Danny Kortchmar、Stan Lynch) – 4:55
11. キングダム・オヴ・デザイア (Kortchmar) – 7:16
12. ジェイク・トゥ・ザ・ボーン – 7:05
13. リトル・ウィング [ライブ] (ボーナス・トラック、ジミ・ヘンドリックスのカヴァー) - 4:15
「ドント・チェイン・マイ・ハート」、「オンリー・ユー」、「2ハーツ」、「ジ・アザー・サイド」がシングルカットされました。
主要メンバーは以下の通りです。
スティーヴ・ルカサー - ギター、ボーカル
デヴィッド・ペイチ - キーボード、ボーカル
マイク・ポーカロ - ベースギター
ジェフ・ポーカロ - ドラム、パーカッション
加えて、多くのゲストミュージシャンがレコーディングに参加しています。
スティーヴ・ポーカロ - シンセサイザー
ジョン・ジョッセル - シンセサイザー・プログラミング
レニー・カストロ - パーカッション
ジョー・ポーカロ - パーカッション
ドン・メンザ - サクソフォーン
ゲイリー・ハービッグ - サクソフォーン
チャック・フィンドレー - トランペット
ジム・ケルトナー - パーカッション
クリス・トゥルージロ - パーカッション
ジョン・エレファンテ - バッキング・ボーカル
フィリップ・イングラム、フレッド・ホワイト、アレックス・ブラウン、エンジェル・ロジャーズ - バッキング・ボーカル
リチャード・ペイジ - バッキング・ボーカル
スティーヴン・ジョージ - バッキング・ボーカル
ボビー・ウーマック - バッキング・ボーカル
制作の背景
この作品の制作過程は、TOTOの歴史の中でも特異な時期にあたります。前作『ザ・セヴンス・ワン〜第7の剣〜』の発表後にそれまでのリードボーカリストがバンドを離れ、代わって新しいボーカリストが迎えられました。しかし、その体制は長く続かず、ベスト・アルバムのリリースとそれに伴うツアーを終えると、そのボーカリストも脱退することになりました。
バンドは新たな専任ボーカリストを探すのではなく、それまでギターを担当していたスティーヴ・ルカサーがメインボーカルを務めるという、TOTOとしては初めての試みで本作を制作することを決めました。元々、TOTOはインストゥルメンタル担当のメンバーがリードボーカルをとることは珍しくありませんでしたが、専任のボーカリストが存在しないラインナップは、この時が初めてのことでした。
悲劇と遺作
アルバムの完成後、そして発売を目前にした悲劇として、バンドの創設メンバーでありリーダー、そして稀代のドラマーであったジェフ・ポーカロが急逝しました。この出来事により、『キングダム・オヴ・デザイア』は図らずもジェフ・ポーカロの遺作となりました。
アルバム発表後に行われたワールドツアーは、ジェフへの追悼ツアーという意味合いも持ちました。急遽必要となったドラマーの代役には、後にTOTOの正式メンバーとなる名手サイモン・フィリップスが迎えられました。
音楽性の変化
サウンド面においても、本作はTOTOの従来のイメージとは異なる変貌を遂げています。これまでの作品で中心となっていたAORやポップロック色は影を潜め、シンセサイザーの比重も抑えられています。代わりに、スティーヴ・ルカサーの強靭なギタープレイがサウンド全体を牽引し、ハードロック色の強い、よりエネルギッシュな楽曲が多数収録されています。
ルカサーのボーカルスタイルも、このアルバムで大きな変化を見せました。それまでの比較的柔らかい声質とは異なり、本作ではしゃがれた、力強いハスキーボイスを多用しています。このボーカルの変化も、アルバム全体のハードなサウンドに貢献しています。
収録曲
本作には以下の13曲が収録されています。（括弧内は共作者や特記事項）
1. ジプシー・トレイン – 6:45
2. ドント・チェイン・マイ・ハート – 4:46
3. ネヴァー・イナフ (TOTO、Fee Waybill) – 5:45
4. ハウ・メニィ・タイムズ – 5:42
5. 2ハーツ – 5:13
6. ウィングス・オヴ・タイム – 7:27
7. シー・ノウズ・ザ・デヴィル – 5:25
8. ジ・アザー・サイド (David Paich、R. Kaplan、Billy Sherwood) – 4:41
9. オンリー・ユー – 4:28
10. キック・ダウン・ザ・ウォールズ (Danny Kortchmar、Stan Lynch) – 4:55
11. キングダム・オヴ・デザイア (Kortchmar) – 7:16
12. ジェイク・トゥ・ザ・ボーン – 7:05
13. リトル・ウィング [ライブ] (ボーナス・トラック、ジミ・ヘンドリックスのカヴァー) - 4:15
「ドント・チェイン・マイ・ハート」、「オンリー・ユー」、「2ハーツ」、「ジ・アザー・サイド」がシングルカットされました。
参加ミュージシャン
主要メンバーは以下の通りです。
スティーヴ・ルカサー - ギター、ボーカル
デヴィッド・ペイチ - キーボード、ボーカル
マイク・ポーカロ - ベースギター
ジェフ・ポーカロ - ドラム、パーカッション
加えて、多くのゲストミュージシャンがレコーディングに参加しています。
スティーヴ・ポーカロ - シンセサイザー
ジョン・ジョッセル - シンセサイザー・プログラミング
レニー・カストロ - パーカッション
ジョー・ポーカロ - パーカッション
ドン・メンザ - サクソフォーン
ゲイリー・ハービッグ - サクソフォーン
チャック・フィンドレー - トランペット
ジム・ケルトナー - パーカッション
クリス・トゥルージロ - パーカッション
ジョン・エレファンテ - バッキング・ボーカル
フィリップ・イングラム、フレッド・ホワイト、アレックス・ブラウン、エンジェル・ロジャーズ - バッキング・ボーカル
リチャード・ペイジ - バッキング・ボーカル
スティーヴン・ジョージ - バッキング・ボーカル
ボビー・ウーマック - バッキング・ボーカル
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。