キンバーライト

キンバーライトは、カンラン石と雲母を主要な構成鉱物とする超塩基性の火成岩で、雲母橄欖岩とも呼ばれます。この岩石は、その一部からダイヤモンドの原石が産出されることで広く知られています。キンバーライトの名前は、南アフリカ共和国の北ケープ州にあるキンバリーという都市に由来しており、この地には有名なダイヤモンド鉱山「ビッグホール」が存在します。

生成要因

キンバーライトは、先カンブリア時代に起こった大規模な造山運動によって生成されたと考えられています。このため、キンバーライトの分布は、大陸の比較的内陸部、かつ古い地質条件が保たれている地域に限定されています。岩石の材料は地球のマントルに由来し、非常に短い時間で地表付近まで噴出した激しい噴火によって形成されたとされています。この特異な生成過程が、キンバーライトを他の火成岩と区別する大きな特徴です。

主な分布地域

キンバーライトは、以下の地域で主に発見されています。

南アフリカ共和国: 特にキンバリー周辺には多くの鉱山が存在し、カリナン鉱山もその一つです。これらの鉱山は、高品質なダイヤモンドの産地として世界的に有名です。
ロシア・シベリア地方: ミール鉱山やウダーチナヤ・パイプなど、大規模なキンバーライト鉱床が発見されています。これらの鉱床は、ロシアのダイヤモンド生産において重要な役割を果たしています。
アンゴラ: アフリカ大陸では、アンゴラでもキンバーライトが確認されており、ダイヤモンド資源の開発が行われています。
中華人民共和国: 中国においても、キンバーライトの分布が確認されており、資源探査が進められています。
アメリカ合衆国: アメリカ合衆国でも、キンバーライトが発見されています。

関連情報

キンバーライトは、その特異な生成過程とダイヤモンド含有の可能性から、地質学や鉱物学の研究対象として重要です。また、ダイヤモンド採掘は経済的にも重要な産業であり、キンバーライト鉱床の発見は、これらの地域における経済発展に大きな影響を与えます。

参考文献

黒田吉益・諏訪兼位 『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、ISBN 4-320-04578-5。

関連項目

岩石
火成岩
橄欖岩
岩石の一覧
エクロジャイト
ブルーグラウンド
* プルームテクトニクス

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