キ・ツ・イ

玉置浩二「キ・ツ・イ」解説

「キ・ツ・イ」は、日本のシンガーソングライター、玉置浩二が1989年1月25日に発表した2枚目のシングルです。前作「All I Do」から約1年半ぶりのリリースで、作詞は松井五郎、作曲とプロデュースは玉置浩二自身が手掛けました。

楽曲の特徴

この楽曲は、玉置浩二の力強いボーカルと、それを支える女性コーラスが大きな特徴です。パワフルでエネルギッシュな歌声は、聴く人に強い印象を与えます。また、TBS系テレビドラマ『キツイ奴ら』の主題歌として使用され、ドラマの内容と相まって、楽曲の知名度を高めました。

リリースと背景

安全地帯としての活動を休止した後、玉置浩二はソロ活動に専念します。その中で生まれたのがこの「キ・ツ・イ」でした。安全地帯の活動休止は、メンバーそれぞれが新たな音楽性を追求するためのものでしたが、矢萩渉は当時「やり残している閉塞感」を感じていたと語っています。

音楽性と歌詞

楽曲解説では、玉置浩二のボーカルが全開であること、そして前作に引き続き女性コーラスが多用されている点が強調されています。これらの要素が組み合わさり、楽曲の独特な雰囲気を醸し出しています。

リリースとメディアでの使用

1989年1月25日に、7インチレコード、カセットテープ、8センチCDの3形態でリリースされました。この楽曲はオリジナルアルバムには収録されず、その後も数枚のシングルがオリジナルアルバム未収録のままリリースされるという珍しい形となりました。
ドラマ『キツイ奴ら』の主題歌として使用された際、当初ドラマタイトルは「ワルい奴ら」になる予定でしたが、演出家の久世光彦がこの曲を気に入り、ドラマタイトルが変更されたというエピソードがあります。ドラマでは、玉置浩二が俳優の小林薫と共に流し役を演じ、歌唱シーンがドラマの見どころの一つとなりました。

チャート成績とライブパフォーマンス

オリコンシングルチャートでは最高7位を獲得し、14週にわたってチャートイン。累計14.6万枚を売り上げました。これは玉置浩二のシングル売上ランキングで3位に位置しています。
音楽番組『ザ・ベストテン』では、初登場10位、最高6位を記録し、6週連続でランクインしました。また、『歌のトップテン』にもランクインするなど、当時の音楽シーンで大きな注目を集めました。テレビ出演時には、パーカッションやサックス、コーラスなどのサポートミュージシャンと共に演奏を披露し、ライブパフォーマンスを盛り上げました。

近年では、久世光彦の追悼コンサートで久しぶりに披露され、ファンを感動させました。

カバー

李克勤（Hacken Lee）が広東語でカバーし、「突然」というタイトルでアルバムに収録しています。

収録アルバム

「キ・ツ・イ」は、以下のアルバムに収録されています。

『安全地帯/[[玉置浩二 ベスト|安全地帯_玉置浩二 ベスト]]』(1994年)
『安全地帯 テーマソングス』(1995年)
『玉置浩二ベスト・ソングス・フォー・ユー』(1995年)
『EARLY TIMES〜KOJI TAMAKI IN KITTY RECORDS』(1997年)
『ゴールデン☆ベスト 玉置浩二 アーリー・タイムズ・プラス』(2003年)
『ALL TIME BEST』(2017年)
* 『THE BEST ALBUM 35th ANNIVERSARY 〜メロディー〜』(2022年)

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