キーフレーム

キーフレームとは

キーフレームとは、アニメーションや映像制作において、特に重要度の高いフレームのことです。英語では「key frame」または「keyframe」と表記されます。その意味合いは分野によって異なり、アニメーションや映画制作では、スムーズなトランジションの開始点と終了点を定義する描画やショットを指します。

これらのキーフレームは、時間軸上の位置がフィルムやデジタルビデオ編集タイムラインのフレームで測定されるため、フレームと呼ばれます。キーフレームの連続は、視聴者が見る動きを定義しますが、フィルム、ビデオ、アニメーション上でのキーフレームの位置は、動きのタイミングを定義します。

一般的に、1秒間に2つか3つのキーフレームだけでは動きの錯覚を作り出すには不十分であるため、残りのフレームは「合間」と呼ばれる補間されたフレームで埋められます。

パラメータ変更の手段としてのキーフレーム

アニメーション（特に3Dグラフィックス）をサポートするソフトウェアでは、オブジェクトに対して様々なパラメータを変更できます。例えば、ライトの光の強さ、ビームサイズ、色、投影されるテクスチャなどを調整可能です。

アニメーターが、特定の期間内にビームサイズをある値から別の値にスムーズに変更したい場合、キーフレームを使用することで実現できます。アニメーションの開始時にビームサイズの値を設定し、終了時に別の値を設定します。ソフトウェアはこれらの2つの値を自動的に補間し、スムーズな遷移を作成します。

ビデオ編集におけるキーフレーム

ノンリニアデジタルビデオ編集やビデオ合成ソフトウェアでは、キーフレームはパラメーターの変更開始または終了を示すフレームとして使用されます。例えば、オーディオが特定のレベルまでフェードアップまたはフェードダウンするポイントを示すためにキーフレームを設定することができます。

ビデオ圧縮におけるキーフレーム

ビデオ圧縮では、「イントラフレーム」または「Iフレーム」とも呼ばれるキーフレームは、完全な画像がデータストリームに保存されるフレームです。

ビデオ圧縮は、保存する必要のある情報量を大幅に削減するために、あるフレームから次のフレームに発生する変更のみをデータストリームに保存します。これは、ほとんどのビデオソースではフレームごとに画像がわずかに変化するだけであるという事実を利用したものです。

しかし、あるカメラショットから別のカメラショットへの切り替え時やシーンの変更など、画像に大幅な変更が発生するたびに、キーフレームを作成する必要があります。これは、2つのフレーム間の視覚的な違いが非常に大きく、前のフレームから新しい画像を段階的に表すには、画像全体を再作成するよりも多くのデータが必要になるためです。

ビデオ圧縮はフレーム間の増分変更のみを保存するため（キーフレームを除く）、ビデオストリーム内の任意の場所に早送りまたは巻き戻しすることはできません。これは、特定のフレームのデータが、そのフレームが前のフレームとどのように異なっていたかを表すだけであるためです。

そのため、ビデオのエンコード中に一定間隔でキーフレームを含めることが有効です。たとえば、視覚的な変化が少ない場合でも、10秒ごとにキーフレームを挿入することで、最低10秒間隔でビデオストリーム内をシークできます。この手法の欠点は、結果のビデオストリームのサイズが大きくなることですが、高ビットレート設定では圧縮損失はそれほど大きくありません。

アニメーションにおけるキーフレーム

アニメーションにおけるキーフレームは、動きの要所が描かれたコマです。ポーズ・トゥ・ポーズ方式のアニメーションでは、要所となるポーズ（キーポーズ）を先に描き、このポーズ間を補間することで一連のアニメーションが生成されます。

キーポーズが描かれたコマ（=フレーム）がキーフレームであり、アニメ制作においてキーフレームの設計図は原画、実際の映像に映るキーフレームの線画は原トレと呼ばれます。キーフレーム以外の、補間により描かれるコマは中割と呼ばれます。

コンピュータアニメーションでは自動中割/自動補間が活用されることがあり、この「キーフレーム設定 + 自動中割」をキーフレームアニメーションと呼びます。

まとめ

キーフレームは、アニメーションや映像制作における重要な要素であり、動きの定義、パラメータの変更、ビデオ圧縮など、様々な場面で活用されています。キーフレームを効果的に利用することで、より滑らかで表現豊かな映像作品を作り出すことが可能になります。

キーフレーム