キール・ロワイヤル

キール・ロワイヤル：シャンパンが彩る、エレガントなカクテル

キール・ロワイヤルは、フランスを代表するカクテル「キール」を、さらに贅沢にアレンジしたものです。キールの白ワインをシャンパンに替えることで、特別な日の乾杯にふさわしい、華やかで洗練された味わいが生まれます。

シャンパンはスパークリングワインの一種であるため、キール・ロワイヤルは辛口のスパークリングワインとカシスリキュールで作られることもあります。

また、英語圏では「ロイヤル・キール」、あるいはシンプルに「シャンパン・キール」と呼ばれることもあります。

歴史：王の名を冠する、華麗なる誕生

「キール・ロワイヤル」は、「王のキール」を意味します。キールが普及した後に生まれたカクテルで、第二次世界大戦後に誕生しました。

名前は「キール」を冠していますが、キールがフランス生まれであるのに対し、キール・ロワイヤルは隣国オーストリアで生まれました。ウィーンの「インターナショナル」という店のフーベルト・ドヴォルシャック氏によって創作されたと言われています。

第二次世界大戦後には、シャンパンストッパーが登場し、開栓後のスパークリングワインを長持ちさせることが可能になりました。これにより、キール・ロワイヤルをはじめとするスパークリングワインを使ったカクテルがより手軽に楽しめるようになり、その普及を後押ししたと考えられています。

カクテルは時代とともに辛口になる傾向がありますが、キール・ロワイヤルも例外ではありません。かつては「シャンパン：カシスリキュール＝125ml：25ml」で作られていましたが、最近では「シャンパン：カシスリキュール＝135ml：15ml」と、甘さを抑えたレシピが好まれるようになっています。

標準的なレシピ

シャンパン：カシスリキュール＝4：1〜9：1

作り方

1. カシスリキュールをフルート型シャンパングラスに注ぐ。
2. よく冷やしたシャンパンを静かに注ぎ込む。
3. 軽くステアして完成。

備考

シャンパンは辛口のものを使用するのがおすすめです。
シャンパンの代わりにスパークリングワインを使用することも可能です。ただし、シャンパンを使うのがフォーマルなキール・ロワイヤルであるのに対し、スパークリングワインを使った場合はカジュアルなキール・ロワイヤルと見なされます。
スパークリングワインを使用する場合も、やはり辛口のものが適しています。
スパークリングワインは開栓すると急速に劣化するため、開栓直後のものを使用しましょう。
カシスリキュールは、「クレーム・ド・カシス」が指定されることが多いです。
キールと同様に、クレーム・ド・カシスの量は「涙3滴ほど」と表現されることもあります。
グラスは、シャンパングラスではなく、ワイングラスを使用する例もあります。

バリエーション

フォーティーセカンド・ストリート (42nd Street)：カシスリキュールをスロージンに変えたもの。
キール・インペリアル (Kir Imperial)：カシスリキュールをフランボワーズリキュール（キイチゴのリキュール）に変えたもの。

関連カクテル

フォー・キール・ロワイヤル (Faux Kir Royal)：「偽物のキール・ロワイヤル」という意味で、ラズベリーシロップと炭酸飲料で作るノンアルコールカクテルです。レモンスライスを添えることもあります。

関連項目

キール
カクテル
シャンパンとスパークリングワイン

もう一度検索