ギニアビサウ独立戦争

ギニアビサウ独立戦争

ギニアビサウ独立戦争は、1963年から1974年にかけてポルトガル領ギニア（現在のギニアビサウ）で起こった、ギニア・カーボベルデ独立アフリカ党(PAIGC)を中心とする独立勢力とポルトガルとの間の武力紛争です。この戦争は、ギニアビサウの独立、そして翌年のカーボベルデ独立へと繋がりました。

背景

ポルトガルは15世紀からギニアビサウを支配していました。18世紀には奴隷貿易の中継地となり、その後、支配はより強固なものとなっていきました。20世紀に入ると、PAIGCなどの独立運動が活発化し、アミルカル・カブラルらの指導の下、武力闘争へと発展しました。1959年の「ピジグイティの虐殺」は、多くの国民がPAIGCを支持するきっかけとなりました。

戦争の経過

PAIGCは、近隣のギニアに拠点を置き、ゲリラ戦術を展開しました。密林や国境を利用したゲリラ攻撃はポルトガル軍を苦しめました。1963年1月、PAIGCは首都ビサウ近郊のポルトガル軍守備隊を攻撃し、戦争が本格化しました。PAIGCは中国、キューバ、ソ連からの支援を受け、支配地域を拡大していきました。

一方、ポルトガル軍はアントニオ・デ・スピノラ将軍の下、反ゲリラ作戦を展開しました。「アフリカ化」政策を推進し、現地住民を軍に雇用するなど懐柔策も試みました。しかし、PAIGCの勢いを止めることはできませんでした。

1970年には、ポルトガル軍は隣国ギニアのセク・トゥーレ政権を転覆させる「緑海作戦」を敢行しましたが失敗。ソ連が軍艦を派遣するなど、国際的な緊張が高まりました。PAIGCはソ連から最新兵器の供給を受け、ポルトガル軍の航空優勢を削ぐことに成功しました。

1973年1月、PAIGCの指導者アミルカル・カブラルが暗殺されましたが、独立運動は衰えることなく、ポルトガル軍への圧力を強めていきました。

ポルトガル支配の終焉と独立

1974年4月、ポルトガル本国でカーネーション革命が起こり、エスタド・ノヴォ体制が崩壊しました。新政権は直ちにPAIGCとの交渉を開始し、8月26日にはアルジェ協定が締結され、ポルトガル軍の撤退とPAIGC主導によるギニアビサウ政府の樹立が決定されました。同年9月10日、ギニアビサウは正式に独立を果たしました。

独立後、PAIGCによる一党支配が始まりました。しかし、独立戦争終結後、ポルトガル軍に協力した黒人兵士が処刑されるなど、負の側面も残りました。

戦争の影響

ギニアビサウ独立戦争は、ポルトガル植民地支配の終焉を象徴する出来事でした。また、この戦争はポルトガル本国の体制転換を促し、アフリカの独立運動に大きな影響を与えました。

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