ギネス準男爵

ギネス準男爵について

ギネス準男爵位は、イギリスの著名なビール醸造会社ギネスに関わる2つの準男爵位を指します。具体的には、1867年に創設されたアシュフォードのギネス準男爵と、1885年に創設されたキャッスルノックのギネス準男爵が存在します。どちらの爵位も現代まで続いていますが、後者はアイヴァー伯爵位の従属称号となっています。

アシュフォードのギネス準男爵

アシュフォードのギネス準男爵は、ギネス創業者アーサー・ギネスの孫であるベンジャミン・ギネス（1798–1868）によって創設されました。ベンジャミンはギネスの経営者として手腕を振るう一方で、1865年から1868年まで保守党の国会議員も務めました。その功績が認められ、1867年4月15日に「ゴールウェイ県アシュフォード城のギネス準男爵」に叙せられました。

初代準男爵の死後、長男アーサー・エドワード・ギネス（1840–1915）が爵位を継承しました。2代準男爵もまた、保守党の国会議員として活動しました。ギネスの事業は、2代準男爵と弟のエドワード（後の初代アイヴァー伯爵、1847-1927）が共同で引き継いでいましたが、アーサーは政治に専念したいと考えていました。そのため、1876年にエドワードが兄からギネスの権利を買い取り、以降はエドワードの単独事業となりました。

アーサーはその後、政界での地位を確立し、1880年5月1日に「ゴールウェイ県アシュフォードのアーディローン男爵」に叙せられました。しかし、彼には子供がいなかったため、アーディローン男爵位は一代で廃絶しました。

準男爵位の方は、初代準男爵の次男ベンジャミン（1842-1900）の子、アルジャーノン・アーサー・セント・ローレンス・リー・ギネス（1883–1954）が3代準男爵を継承しました。3代準男爵にも男子がいなかったため、彼の死後は弟のケネルム・エドワード・リー・ギネス（1887-1937）の息子、ケネルム・アーネスト・リー・ギネス（1928–2011）が4代準男爵となりました。そして、彼の死後、その息子ケネルム・エドワード・リー・ギネス（1962-）が5代準男爵を継承し、現在に至ります。2023年現在、彼が当主を務めています。

キャッスルノックのギネス準男爵

一方、初代準男爵の三男でギネスの事業を継承したエドワードは、1885年5月27日に「ダブリン県キャッスルノックのギネス準男爵」に叙せられました。彼は1919年にアイヴァー伯爵に叙せられたため、以降はこの準男爵位はアイヴァー伯爵の従属称号となっています。キャッスルノックのギネス準男爵に関する詳細は、アイヴァー伯爵の項目を参照してください。

歴代当主

アシュフォードのギネス準男爵 (1867年)

初代準男爵：サー・ベンジャミン・リー・ギネス (1798–1868)
2代準男爵：サー・アーサー・エドワード・ギネス (1840–1915) - 初代準男爵の息子、1880年にアーディローン男爵に叙爵

アーディローン男爵 (1880年)

初代アーディローン男爵/2代準男爵：アーサー・エドワード・ギネス (1840–1915)

アシュフォードのギネス準男爵 (1867年)

3代準男爵：サー・アルジャーノン・アーサー・セント・ローレンス・リー・ギネス (1883–1954) - 2代準男爵の甥
4代準男爵：サー・ケネルム・アーネスト・リー・ギネス (1928–2011) - 3代準男爵の甥
5代準男爵：サー・ケネルム・エドワード・リー・ギネス (1962-) - 4代準男爵の息子
法定推定相続人：ケネルム・アーサー・リー・ギネス (2005-) - 現当主の息子

キャッスルノックのギネス準男爵 (1885年)

アイヴァー伯爵を参照

参考文献

マンスフィールド, スティーヴン『ギネスの哲学 地域を愛し、世界から愛される企業の250年』英治出版、2012年(平成24年)。ISBN 978-4862761149。

関連項目

ギネス家
アイヴァー伯爵
モイン男爵

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