ギミック (プロレス)

ギミックとは

プロレスにおける「ギミック」とは、選手が演じる特定のキャラクターや設定を指します。この概念は、観客が試合を楽しむための重要な要素であり、選手の個性を際立たせるための手段でもあります。ギミックは、選手がリング上やテレビで展開する演技やストーリーに基づいており、選手本来の性格とは異なるキャラクターが作り出されることが一般的です。

ギミックの歴史

ギミックはプロレスの歴史の中で長い間存在してきました。初期のプロレス界では、ゴージャス・ジョージやグレート東郷のように、特異なキャラクターを演じることで観客の関心を引く手法が取られていました。例えば、ゴージャス・ジョージは貴族のような装いで豪華さを演出し、グレート東郷は戦時中の日本軍人を模したキャラクターで観客を魅了しました。

ギミックの導入により、レスラーそれぞれの個性的な魅力が引き立ち、観客は彼らに感情移入しやすくなります。ヒール（悪役）やベビーフェイス（善玉）といった役割が明確化され、観客は試合をより一層楽しむことができるようになったのです。

アメリカにおけるギミック

特にアメリカのプロレス団体WWEでは、ギミックは非常に重要な役割を果たしています。選手が24時間体制でギミックを維持する契約をすることもあり、そのために特異なキャラクター設定が行われることが頻繁にあります。インパクトのあるバックストーリーやキャラクターを持つことは、ファンの記憶に残るために有効な手法です。例えば、「ロード・ウォリアーズ」は「スラム街でネズミを食べていた」といった伝説を持ち、強烈な印象を残しました。

血縁関係とギミック

プロレス界ではしばしば、「xx兄弟」や「xx一家」といった名乗り方がなされますが、必ずしも血縁関係があるとは限りません。たとえばザ・ファンクスは、実際の兄弟であるドリーとテリーを含みますが、そうでない場合も多いのです。こうしたビジネス・ブラザーズやファミリーの名乗りも、ギミックの一環といえます。実際の血縁関係に基づいて活動を行う場合も多く、メキシコのルチャリブレ界では「イホ・デル」や「ジュニア」と名乗る選手が多く存在します。

ギミックチェンジ

ギミックは、選手の人気が低迷している際や、特定のストーリー展開に必要な場合に変更されることがあります。この変更を「ギミックチェンジ」と呼び、多くの場合、選手のリングネームや外見が変わります。D-ジェネレーションXのショーン・マイケルズやトリプルHは、その代表例といえるでしょう。

小道具としてのギミック

ギミックはキャラクターの設定だけでなく、小道具としても用いられることがあります。たとえば、流血演出のためのカミソリや、特別な衣装、凶器となる道具などが含まれます。これにより、選手のパフォーマンスがよりドラマティックになり、観客にインパクトを与えることができます。例えば、さまざまな小動物が登場することもあり、これもまたギミックの一部です。

日本におけるギミック

日本では、覆面レスラーが特にギミックが活躍する場面が多いです。みちのく[[プロレス]]や大阪プロレスでは、地域に関連したキャラクターが多く見られます。また、DDTプロレスリングなどの団体では、特にエンターテインメント性を重視しており、覆面レスラー以外にも多くの選手が独自のギミックを用いるようになっています。これにより、観客は試合にさらなる興奮を感じることができるのです。

ギミックはプロレスの魅力の一端を担っており、選手が名を馳せるための重要な要素であると同時に、ファンに感動や興奮を与えるための重要な手段でもあります。

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