ギム・ギンガナム

ギム・ギンガナム

ギム・ギンガナムは、テレビアニメ『∀ガンダム』に登場するムーンレィスの男性です。月面都市ゲンガナムを守る軌道艦隊の総司令という要職にあります。その外見は、他者を威圧するような巨躯と、無骨なサムライを彷彿とさせる風貌が特徴的です。頭頂部には小さなチョンマゲを結っています。

人物

尊大で好戦的な性格の持ち主で、ディアナ・ソレルの地球帰還計画に対しては、強硬な姿勢を崩しません。ディアナの懐柔策にも耳を傾けず、自ら侵略と称するほどの強行策を主張し、ディアナと対立します。その結果、ギンガナム艦隊は地球帰還作戦から外され、代わりにディアナ・カウンターが組織されることになります。

ギンガナムは、この一連の経緯を、一族が代々尽くしてきた忠義への裏切りと捉え、ディアナやその関係者に対して複雑な感情を抱いています。戦闘を肯定する戦闘狂でありながら、必ずしも破壊的なわけではなく、祖先が建設したゲンガナムを破壊する意思はないと述べています。

作中では、ディアナの身代わりとなったキエルの髪を撫でて「手触りは変わらない」と意味深な言葉を発しますが、彼が実際にディアナの髪の感触を知っているのか、単なるブラフなのかは定かではありません。

一人称は「私」または「小生」を使い、直属の部下からは「御大将」と呼ばれています。これは、ギンガナム家では艦隊長を「御大将」、部隊長を「大名」と呼ぶ習わしがあるためです。

ギンガナム艦隊は、2,500年の間、宇宙に進出してくるであろう地球人を想定した演習のみを行ってきました。そのため、実戦経験豊富なディアナ・カウンターに押される場面もありましたが、ギンガナム自身は実戦に柔軟に対応し、自らターンXで出撃して味方のモビルスーツを撃破するなどの戦果を挙げています。

ちなみに、月面都市ゲンガナムは彼の祖父が建設したもので、小説版によると、この祖父はモビルスーツコレクターであり、多数の機体を保管していたようです。

劇中での活躍

ディアナ・ソレルの地球移住計画に反対し、反ディアナ派に加担。物語中盤から登場し、執政官アグリッパ・メンテナーの制止を無視して、ロラン・セアックらに戦闘を仕掛けます。

物語後半では、月面のマウンテンサイクルから発掘されたモビルスーツ・ターンXを駆り、自ら戦陣に立って∀ガンダムと交戦。ディアナを見限り、グエン・サード・ラインフォードと手を組み、地球・ムーンレィス連合軍に戦いを挑みます。

最終局面では、ターンXを巧みに操り、ミリシャの多数のMSを撃破し、∀ガンダムを捕獲。ジョゼフ・ヨットの搭乗する∀ガンダムや、ハリー・オード率いる親衛隊も退けています。

ロラン・セアック搭乗の∀ガンダムとの戦闘では、互いに月光蝶を展開し、隙を突かれて胸部をサーベルで貫かれますが、溶断破砕マニピュレータで腹部に直撃を与え、双方身動きのとれぬまま地上へ落下します。その後、ロランと決着をつけるために日本刀を投げ渡して斬り合いますが、ロランの一撃に刀がへし折られます。折れた刃で斬りつけますが、2機のターンタイプを包み込むように現れたナノマシンの繭に取り込まれ、消息不明となります（死亡した直接的な描写はありません）。

評価

「愛と戦いのロボット 完全保存版」で発表されたアンケートでは、「一番極悪な悪役・敵役は？」で第34位、「一番美しい悪役・敵役は？」で第57位にランクインしています。

ギム・ギンガナムは、その強烈な個性と、物語における重要な役割から、『∀ガンダム』を代表するキャラクターの一人として、多くのファンに支持されています。

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