ギヨーム3世 (トゥールーズ伯)

ギヨーム3世について

ギヨーム3世（Guillaume III）は、970年頃に誕生し、1037年9月に没したフランスの貴族であり、トゥールーズ伯、アルビ伯、ケルシー伯として知られています。972年または978年にこれらの地位に就き、彼はトゥールーズ伯として「marchio」（辺境伯）の称号を初めて持つこととなりました。この称号は、975年ごろに彼がルエルグ伯レーモン2世から継承したものでした。

生涯と出自の再考

当初、ギヨーム3世はレーモン3世・ポンスとその妻ガルサンドの息子と考えられていましたが、最近の歴史研究により、彼の実父は「ゴティアの侯」と呼ばれたレーモンであり、母はアデライード・ダンジューであったことが明らかとなりました。この新情報は、トゥールーズ伯家の継承を再評価する必要性を浮き彫りにしていますが、現在も統一された学術見解は確立されていません。

教会との対立

ギヨーム3世は、その治世において教会の所有物を強奪したことで悪評が立っています。特にレザ修道院での盗難事件が有名で、彼は1015年から1025年にかけて盗んだ財産の一部を返還しました。また、ローマ教皇ヨハネス19世からは、ギヨームの家臣がモワサックの領地を奪うのをやめるよう命じられるなど、教会との対立も数多く見受けられました。この問題は、ギヨームの息子ポンスがクリュニー修道院にモワサックを寄付することで解決されました。

南フランスにおける影響力

ギヨーム3世は西ラングドックにおいて非常に強大な権力を持つ諸侯となりましたが、同時にフランス全体でのユーグ・カペーの台頭や南部の王権の衰退も感じていました。彼は「marchio prefatus in pago Tholosano」（トゥールーズ地方の首長辺境伯）の称号を導入し、ナルボネンシスやプロヴァンスにまで彼の影響力を及ぼしました。地元の貴族や聖職者の評議会によって市場に課せられた税を放棄せざるをえなかったものの、彼の権力はトゥールーズにおいては依然として強固なものでした。

結婚と子女

ギヨーム3世は、2度の結婚を経験しました。最初の妻は出自不明のアルサンドで、彼との間にレーモンとユーグという二人の男子をもうけました。次に、プロヴァンス伯ルボー2世の娘エマと結婚し、これによりプロヴァンス伯位とその領地を得ることになりました。この結婚からは、ポンス（1019年 - 1060年）とベルトラン1世（1081年以降没）という二人の男子が誕生しました。加えて、庶子としてオトン・レーモン・ド・リル＝ジュルダンとの結婚による娘も存在します。

参考文献

• - Lewis, Archibald R. (1965). The Development of Southern French and Catalan Society, 718–1050. Austin: University of Texas Press.
• - Thierry Stasser (1997). “Adélaïde d'Anjou. Sa famille, ses mariages, sa descendance”. Le Moyen Age 103 (1): 9-52.

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