ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発

ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発

概要

『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』（英題：The Monster X Strikes Back / Attack the G8 Summit）は、2008年に公開された日本の映画である。本作は、松竹が1967年に製作した怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』の設定を踏襲しながら、全く新しいストーリーを展開している。特に注目すべきは、日本国内での洞爺湖サミット開催を利用したプロモーションで、全国公開に先駆けて、2008年7月5日に北海道で先行上映された点である。映画はヴェネツィア国際映画祭やシッチェス・カタロニア国際映画祭に出品され、国際的な評価を受けた。

あらすじ

洞爺湖サミットが開始されるまさにその時、札幌に突如怪獣が出現する。最初は逃げ回る各国の首脳たちだったが、アメリカのバーガー大統領が「怪獣退治で支持率を上げよう！」と提案することで、サミットのテーマが「G8宇宙怪獣対策本部」に変わる。各国は「美しい国」を守るために、日本支部の地球防衛軍が先陣を切ってギララに攻撃を仕掛けるが、ギララは新型ミサイル「はげわし」を軽々と食べてしまう。イタリア、ロシア、ドイツ、英国など、それぞれの国が誇りを賭けた作戦を次々と展開するが、ギララには効果がない。

そんな厳しい状況の中、東京スポーツの記者隅田川すみれとカメラマン戸山三平は、謎の現象を目撃し、全人類の未来を握ることになる。

登場キャラクター

ギララ

身長120メートルのこの怪獣は、中国の宇宙船「AACベーター号」に付着していた胞子から生まれた。この胞子が周囲の高熱エネルギーを吸収することで、ギララは巨大化していく。

タケ魔人

身長50メートルのタケ魔人は、洞爺湖畔に祀られる神社に住む木の像が変身した存在。変身後は肉弾攻撃や必殺技を使いこなす。

AACベーター号

中国製の有人火星探査ロケットで、ギララの誕生の原因。札幌に墜落し、サミットでは酷評される。

特殊兵器

• - 特殊マイクロウェーブ波発生装置：地下のマグマを制御し、ギララをおびき寄せるために使用されるが、逆に噴火を引き起こしてしまう。
• - はげわし：地球防衛軍が開発した新型ミサイル。しかし、ギララに食べられる悲劇が待ち受けている。
• - ポロニウム210：放射性物質としてギララに使用されるが、効果は薄かった。
• - ダブリンVXVIII：ドイツが使用した化学兵器もギララには効果なし。

キャスト

本作には多くの俳優が出演しており、隅田川すみれ役を加藤夏希、戸山三平役を加藤和樹が務めている。さらに、アメリカ大統領役にはヘイズ・ジョン、ロシア大統領役をアナトリ・クラスノフが演じるなど、多国籍のキャストが揃っている。

制作と背景

本作のプロデューサーには鈴木忍や河崎実が名を連ねており、音楽を担当した福田裕彦は、数多の怪獣映画に携わった伊福部昭へのオマージュとしてサントラを構成した。映画批評家にして監督である水野晴郎の遺作ともなっている。

本作では、各国首脳の個性的なキャラクターが魅力的に描かれており、ドタバタコメディと真剣な戦いが織り交ぜられた一作である。

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