ギリシャ・イタリア戦争

ギリシャ・イタリア戦争

ギリシャ・イタリア戦争（1940年10月28日 - 1941年4月30日）は、第二次世界大戦中におけるイタリアとギリシャの間で繰り広げられた戦争です。この戦争は、枢軸国の一員であるイタリアがギリシャに侵攻し、連合国の一国としてのギリシャが抵抗する形で展開されました。

背景

1940年、イタリアはバルカン半島のアルバニアを併合し、親英的な姿勢を持つギリシャに対して警戒心を強めていました。イタリア政府は、連合軍がギリシャを拠点にアルバニアへと干渉してくるリスクを懸念していました。そのため、ムッソリーニは軍部の反対意見を無視し、ギリシャに対する攻撃を決定します。この時期、ドイツのヒトラーはソ連への攻撃を計画しており、バルカン半島の平和を保つべきとの立場を取っていましたが、ムッソリーニはそうした懸念を無視しました。

1940年10月28日、イタリアはアルバニアに駐屯する10万5000名の兵士を動員し、ギリシャへ侵攻しました。しかし、投入された大部分の兵士は不十分な訓練を受けており、戦力と装備に関して多くの欠陥を抱えていました。戦車の投入は北アフリカの戦況にも影響を与え、イタリアは不利な立場に立たされることとなります。

戦いの経過

初期の戦闘

侵攻が開始されると、イタリア軍は一時的な成功を収めましたが、ギリシャの地形と厳しい冬の気候がイタリア軍を苦しめる結果となりました。ギリシャ軍は自身の地形の利点を活かし、伏兵や不正規戦闘でイタリアの進軍を阻止しました。特に厳しい冬季装備を持たないイタリア軍は、寒さと補給の不足に悩まされ、進軍は次第に停滞。アルバニア人兵士の離脱や裏切りも続出しました。

最終的には、イタリア軍はエピルスでの戦いに敗北し、戦局は大きく変化しました。

増派と局面の変化

戦況が厳しくなる中、ムッソリーニは指揮官の交替と増兵を決定しますが、状況は好転せず、ギリシャ軍の逆襲を許す結果になりました。一方、ブルガリアやユーゴスラビアが枢軸側に参戦する中、ユーゴスラビアで親英派によるクーデターが発生し、その結果、ユーゴスラビアは連合国側に寝返りました。これに対応すべく、ドイツ軍が介入し、イタリア軍と連携して総攻撃を仕掛けました。

結果として、ギリシャ軍は総崩れとなり、1941年4月23日、ギリシャ政府は降伏を申し入れました。

戦争の総括

初めはギリシャ軍を侮り攻撃を開始したイタリア軍は、最終的には28個師団もの兵力を投入せざるを得ない状況に追い込まれました。この戦争は、戦局の誤算や指揮官の判断ミスが大きく影響した歴史的な事例として位置づけられています。

関連項目

• - バルカン戦線 (第二次世界大戦)
• - ドデカネス諸島戦役
• - ギリシャ内戦
• - コレリ大尉のマンドリン

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