ドデカネス諸島戦役

ドデカネス諸島戦役の背景

1943年9月から11月にかけて、エーゲ海東部のイタリア領ドデカネス諸島で展開された戦闘を「ドデカネス諸島戦役」と呼ぶ。この戦役は、イタリアの降伏を受けた連合軍が、ドイツ占領下のバルカン半島に対抗するための拠点としてこれらの島々を攻略しようとしたことに端を発する。イタリア領となっていたドデカネス諸島は、戦略的に重要な位置にあった。特にロードス島は、強固な陸軍と航空部隊の基地となっており、連合軍にとって攻略のターゲットとされた。

開戦と戦局の推移

イタリアの降伏が伝えられると、ドイツ軍は早急に反撃態勢を整えた。連合軍は、アコレイド作戦という名のもとにドデカネス諸島および周辺地域への攻撃を計画したが、航空支援が不足していたため、作戦は難航した。9月8日、カステロリゾ島でイタリア軍の降伏が確認され、先立って連合軍の侵攻が始まったものの、ドイツ軍は瞬時に反撃し、徐々に優位に立った。

連合軍は、コス島を含む他の島々への攻撃を進めたが、ドイツ軍の航空優勢が影響し、次第に後退を余儀なくされた。特に10月3日、コス島へのドイツ軍の上陸作戦が成功し、続いて連合軍は壊滅的な損失を被った。この頃、ドイツ軍は迅速に反攻を続け、コス島を攻略したことで連合軍は重要な航空支援も失った。

レロス島の激闘

その後、レロス島に対する戦闘が展開され、ドイツ軍は爆撃を行い、最終的には海と空からの同時攻撃により島を取り囲んだ。連合軍は抵抗を試みたものの、11月16日には降伏し、ドイツ軍は島を完全に掌握した。この戦闘によって、連合軍の一部隊は捕虜にされ、ドイツ軍は兵力をより深化させることができた。

海軍の役割と被害

この一連の戦闘において、両軍の艦船は多くの損害を被った。連合軍は海上での劣勢に苦しむ一方、ドイツ軍は制空権を握り続けたため、連合軍の艦船への攻撃が容易になった。航空機による爆撃、艦艇の撃沈、多大な損耗を強いられた連合軍ではあったが、戦いの初めにはドイツ海軍の存在はさほど大きくなかった。

戦役の結末

最終的に、ドデカネス諸島は1943年11月22日までに完全にドイツ軍に占領され、その後1945年の終戦までドイツに支配され続けた。この戦役は、第二次世界大戦におけるイギリス陸軍の最後の大きな敗北の一つであり、またドイツ軍の確実な勝利を示すものとなった。連合軍はこの戦局から多くの教訓を学ぶこととなり、以後の作戦計画においても影響を与えることになった。

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