ギンカクラゲ

ギンカクラゲ（銀貨海月）

ギンカクラゲ（Porpita porpita）は、ヒドロ虫綱花クラゲ目に属する群体性のクラゲの一種です。その独特な外観と生態で知られています。

概要

ギンカクラゲは暖海性の外洋に生息し、主に黒潮海域で見られます。平らな円盤状の気泡体が特徴で、その中心部は白色または銀色をしています。しかし、その外見は銀貨というよりも、牛乳瓶のフタや大根の輪切りに例えられることもあります。

円盤部の大きさは最大で約4cm程度で、その周囲には刺胞を持った感触体が配置されています。円盤の下には1つの大きな栄養体があり、感触体との間には多数の小さな栄養体がぶら下がっています。感触体や円盤部の端は、美しい藍青色をしています。それぞれの感触体には、数十本の有頭触手が存在します。

円盤の表面には小さな円錐形の突起が散在し、内部には多数の隔壁を持つ気嚢があります。円盤部分は硬いキチン質で構成されており、骨格が浜辺に打ち上げられることもあります。

刺胞毒

ギンカクラゲの刺胞毒は比較的弱いですが、人によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

形態と生態

ギンカクラゲの群体は、一見するとクラゲのように見えますが、実際にはポリプです。かつては円盤状の管クラゲと考えられていましたが、現在では浮遊のための浮きを持つヒドロ虫の一種とされています。その証拠として、ギンカクラゲとは別に、クラゲ型のクラゲが形成されることが挙げられます。

有性生殖を行う際には、栄養体から小さなクラゲ芽を形成し、小さなクラゲを一度に放出します。このクラゲは4つの放射管を持ちますが、触手は持っていません。

参考文献

* Jean Bouillon and Ferdinando Boero, 2000. Synopsis of the families and genera of the hydromedusae of the world, with a list of the worldwide species. Thalassia Salentina, 24, 47-296.

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