クアーズ・フィールド

クアーズ・フィールドの概要

クアーズ・フィールドは、アメリカ合衆国コロラド州デンバーにある野球場で、1995年に完成し、MLBのコロラド・ロッキーズの本拠地となっています。デンバーは30年以上にわたり、メジャーリーグベースボール（MLB）のチームを誘致しており、1993年の新球団ロッキーズの開幕戦には80,227人が集まりました。この影響で、クアーズ・フィールドの収容能力は当初予定の43,800人から50,445人に増加しました。

この球場は1962年のドジャー・スタジアム以来のナショナルリーグの新古典様式の野球専用球場で、外観は赤レンガと鉄骨で構成されています。赤レンガは周辺の古倉庫に調和し、鉄骨はかつての鉄道駅の名残を伝えています。観客席からは、美しい風景が見られるような噴水付きの庭園もあり、ロッキーズがホームランを打つと噴水が上がる演出が楽しめます。特に、2015年にはトム・マーフィーがMLB初のホームランを打った際、ブルペンスタッフがボールを探しに行くという出来事も回想されます。

フィールドの特徴

このフィールドは「マイル・ハイ」とも呼ばれ、標高1マイル（約1600メートル）という高地に位置しています。気圧が低く、空気抵抗が少ないため、打球の飛距離が増加するのが特徴です。公式サイトによると、クアーズ・フィールドでは打球が約9〜10％飛距離が延びるとされていますが、これは全て標高の影響によるものではないとの意見もあります。

外野手が深くシフトすることで、シングルヒットが増える可能性が高く、特にフライボールピッチャーには不利な状況を作り出すこともあります。このため、この球場は「投手の墓」とも呼ばれることがあります。2002年以降、ボールに加湿処理を施し、打球の飛び過ぎを防ぐ取り組みが行われました。この過程で、ロッキーズは無許可で加湿器を使ったため、MLBから調査を受けることになりました。

主要な出来事

クアーズ・フィールドでは多くの歴史的なイベントがありました。1995年の開場以来、特に記憶に残るのは、1996年に野茂英雄がこの球場初のノーヒットノーランを達成したことです。また、オールスターゲームやワールドシリーズなどの大イベントも開催されており、2016年にはイチローがここでメジャー通算3000本安打を達成しました。

エピソード

球場内の座席は基本的に緑色ですが、3階席20列目だけはロッキーズのチームカラーである紫色になっています。この場所が正確な標高1マイルを示しているのです。また、球場の建設中には恐竜の化石が見つかり、かつて提案された「ジュラシック・パーク」の名が今も語り継がれています。結果として、ロッキーズのマスコットには恐竜の「Dinger」が採用されました。

クアーズ・フィールドは、その魅力的な環境と独特の歴史によって、訪れる人々にとって特別な場所となっています。メジャーリーグの試合だけでなく、多くのイベントが行われており、常に新たなエピソードを生み出し続けています。

もう一度検索