クイーン・エリザベス (客船・3代)

クイーン・エリザベス（MS Queen Elizabeth）は、キュナード社が運航するヴィスタ級のクルーズ客船です。2010年にイタリアのフィンカンティエリ社モンファルコーネ造船所で建造されました。

概要

本船は、姉妹船であるクイーン・ヴィクトリアと比較して、公室の配置などが異なるため、総トン数で約400トンほど大きく、90,400総トンとなっています。キュナード社がカーニバル・コーポレーションの子会社となったことで、クイーン・ヴィクトリアの他に、ホランド・アメリカ・ラインに2隻、コスタ・クルーズに2隻の準姉妹船が就航、あるいは建造中です。

乗客定員は2092名で、全長は294メートル。これは、キュナード社がこれまでに建造した船舶の中で、クイーン・メリー2、初代クイーン・エリザベス、クイーン・メリーに次いで4番目の長さで、クイーン・ヴィクトリアとは同じ全長です。

内装は、初代クイーン・エリザベスが就航した1930年代のアール・デコ様式を基調としており、往年の華麗さを再現しています。12層のデッキには合計1029室の客室があり、そのうち838室が海側に面したオーシャンビューとなっています。

エンジンと性能

エンジンは、キャタピラ社の子会社であるMak社製のものが搭載されています。具体的には、Mak 12 M 43 Cが4基、MAK 8 M 43 Cが2基で、合計出力は64MWです。設計上の最高速力は23.7ノット、航海速力は22ノットとなっています。先代や先々代のクイーン・エリザベスのような高速オーシャンライナーとしての機能は有していません。

クイーン・エリザベスの就航により、キュナード社はクイーン・エリザベス2の引退以来、再び3隻の「クイーン」を同時に運航することとなりました。船名に「クイーン・エリザベス」の名を用いることは、エリザベス2世女王の許可を得ています。

船名にまつわる状況

船名の「クイーン・エリザベス」にまつわる状況は、1940年から1948年にかけての状況と類似しています。当時、キュナード社の初代クイーン・エリザベスと、戦艦クイーン・エリザベスが同時に現役でした。また、2017年には空母クイーン・エリザベスが就役しており、同様の状況となっています。

脚注

外部リンク

報道（2009年3月17日） - ウェイバックマシン（2009年3月21日アーカイブ分）
MS Queen Elizabeth on Cunard.co.uk
Unofficial Queen Elizabeth Website
３代目「エリザベス女王」、神戸に初入港　英の豪華客船 - YouTube（朝日新聞社提供、2014年3月18日公開）
* 船舶の情報と現在位置 - MarineTraffic.com

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