クイーン&スリム

クイーン&スリム

概要

『クイーン&スリム』（原題: Queen & Slim）は、2019年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画です。監督はメリーナ・マツーカスが務め、ダニエル・カルーヤとジョディ・ターナー＝スミスが主演を務めました。この作品は、マツーカス監督にとって初の長編映画作品となります。

日本では劇場公開こそされなかったものの、2021年7月21日にデジタルセル配信が開始され、同年8月4日にはBlu-rayとDVDが発売されました。

あらすじ

アンジェラ・ジョンソン（通称クイーン）は、弁護士として活動していましたが、担当した依頼人が死刑判決を受けてしまいます。気分転換のため、マッチングアプリで知り合ったスリムとデートをすることに。しかし、二人の会話は盛り上がらず、ぎこちない雰囲気のままデートは終わろうとしていました。

帰路の途中、スリムがウィンカーを出し忘れたことがきっかけで、警察官に車を止められてしまいます。スリムは警察官に協力的な姿勢を見せますが、クイーンは不当な職務質問だと主張します。クイーンが警察官の行動をスマートフォンで撮影しようとしたところ、警察官は彼女に発砲。クイーンをかばったスリムが揉み合いになり、誤って警察官を射殺してしまいます。

二人はこのまま自首しても終身刑になるだけだと考え、国外への逃亡を決意します。フロリダを目指す逃避行の末、警察隊に包囲され、無抵抗のまま射殺されてしまいます。この事件はSNS上で瞬く間に拡散され、クイーンとスリムは人種差別に立ち向かった英雄として称賛されることとなりました。

キャスト

ダニエル・カルーヤ - アーネスト・ハインズ（スリム）（三宅健太）
ジョディ・ターナー＝スミス - アンジェラ・ジョンソン（クイーン）（白石涼子）
ボキーム・ウッドバイン - アールおじさん（楠大典）
クロエ・セヴィニー - ミセス・シェパード（進藤尚美）
フリー - ミスター・シェパード（志村知幸）
スタージル・シンプソン - リード
ベニート・マルティネス - エドガー保安官（広瀬彰勇）
インディア・ムーア - 女神（れいみ）
ジャヒ・ディアロ・ウィンストン - ジュニア（野津山幸宏）
メラニー・ハーフケニー - ナオミ

製作

2018年7月19日にダニエル・カルーヤの出演が発表され、同年11月8日にはジョディ・ターナー＝スミスの起用が決定しました。主要撮影は2019年1月に開始され、同年11月15日にはサウンドトラックが発売されました。

公開・マーケティング

2019年7月31日に最初の予告編が公開され、同年9月12日には2番目の予告編が公開されました。同年11月14日には、AFIフェストでプレミア上映が行われました。

興行収入

公開初週は『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密|ナイブズ・アウト_名探偵と刃の館の秘密』と競合し、感謝祭の週末5日間で1200万ドルから1700万ドルの興行収入が見込まれていました。結果として、この予想は的中。11月27日に全米1690館で公開され、初週末には1189万ドル（5日間では1600万ドル）を記録し、週末興行収入ランキングで初登場4位となりました。

評価

本作は批評家から非常に高い評価を得ています。映画批評サイトRotten Tomatoesでは、113件のレビューに基づき、83%の支持率と平均7.51/10点を獲得しています。批評家の意見を要約すると、「スタイリッシュで啓発的な、非常に力強い作品。『クイーン&スリム』は、観客の心を掴む逃避行の中で、現代社会の抱える問題を深く掘り下げている」と評されています。また、Metacriticでは、34件のレビューに基づき、加重平均スコア74/100となっています。さらに、CinemaScoreではA-の評価を受けています。

外部リンク

公式ウェブサイト （英語）
Queen & Slim - IMDb （英語）

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