クサチヒメドリ

サバンナシトド

サバンナシトド（学名：Passerculus sandwichensis）は、鳥類の中でもスズメ目に分類されるホオジロ科の一員です。その姿から「クサチヒメドリ」、つまり草地に暮らす小さな鳥とも呼ばれることがあります。

形態的特徴

この鳥の大きさは全長およそ14センチメートルほど。雌雄による外見上の違いはほとんどなく、どちらも似たような色合いをしています。

体の上面、具体的には頭のてっぺんから背中、腰を経て上尾筒にかけての部分は、黒褐色の細かい縦じま模様が密に入っています。顔を見ると、頬は淡い褐色をしており、その周囲は濃い黒褐色に縁取られています。目の上にある眉のような模様（眉斑）と、目の周りを囲むようにある輪状の模様（アイリング）は、一般的には黄白色と表現されますが、中にははっきりとした白色の個体も見られます。この眉斑の色をはじめとして、羽の色や模様には亜種によってかなりのバリエーションがあることが知られています。

分布と渡り

サバンナシトドの主な生息域は北米大陸に広がっています。繁殖期には、アラスカやカナダ、そしてアメリカ合衆国の北部から中部にかけての地域で子育てを行います。また、メキシコの北西部から中部、さらに中央アメリカのグアテマラ南西部でも繁殖が確認されています。

特に北米の中部より北で繁殖した集団は、冬の訪れとともに南へと渡りを行います。彼らの越冬地は、アメリカ西部からメキシコにかけての地域、中央アメリカ各国、そしてカリブ海に浮かぶ島々（西インド諸島）など多岐にわたります。このように、季節によって生息地を変える渡り鳥です。

日本においては、定期的に飛来する鳥ではなく、観察される機会はまれです。冬鳥として越冬のために訪れることもあれば、渡りの途中に立ち寄る旅鳥として記録されることもあります。その記録は宮城県から南は沖縄県に至るまで、日本各地で見られています。

生態

サバンナシトドは、主に草地や広々とした農耕地などを生活の場としています。地面に近い場所で餌を探したり、身を隠したりして過ごすことが多いようです。

彼らの鳴き声、特に地面で聞かれる地鳴きとしては、「ツィッ」という短い声や、「ヂィ　ヂィ」という濁った声が知られています。

その他

日本で見られる機会は少ないため、もし観察できた場合は比較的珍しい出会いと言えるでしょう。日本の野鳥に関する図鑑などには情報が掲載されています。

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