クムタグ砂漠

クムタグ砂漠について

クムタグ砂漠（クムタグさばく）は、中華人民共和国の新疆ウイグル自治区の北東部から甘粛省西部にかけて広がる広大な砂漠であり、その面積は2万平方キロメートルを超えています。この砂漠は、近年拡大していることが指摘されています。クムタグという名称は、ウイグル語に由来し、「クム」が砂、「タグ」が山を意味しています。このことからも、この地域の特徴を知ることができます。

地形と観光地

クムタグ砂漠に訪れると、独特な形状の地形であるヤルダン（雅丹）を見ることができます。これらは、時間と自然の力によって形成された独自の景観を持ち、敦煌ヤルダン国家地質公園内で観察できます。この公園は、多様な自然の景観が楽しめる場所として観光客に人気です。

砂漠の北西側には天山山脈、南側には阿爾金山脈が位置し、かつての内陸河川が流れていた位置を思い起こさせます。特に疏勒河は、かつて隣接するタクラマカン砂漠にあったロプノール湖に流れていると考えられていましたが、探検家ヘディンによると、河と湖の間には明確な尾根が存在し、直接の流れ込みはないとのことです。

生態系と保護

この地域には、貴重な生態系が広がっています。特に「一級保護生物」として指定されている野生のフタコブラクダが、この砂漠で冬を越すことで知られています。フタコブラクダは、厳しい環境に適応した特異な生物であり、その生息地域は限られています。

この砂漠には観光地も点在しており、敦煌西湖自然保護区には世界遺産である莫高窟や、観光名所の月牙泉があります。これらの場所は、地域の歴史や文化を反映したものであり、多くの観光客が訪れています。莫高窟は仏教美術が数多く収められた洞窟寺院群で、その芸術性は世界的に評価されています。

設立された保護区

2002年には、クムタグ砂漠の一部が「庫木塔格沙漠風景名勝区」として中華人民共和国の国家重点風景名勝区に認定されました。このおかげで、自然環境の保護と観光の振興が進められています。特に観光業が発展する中で、地域の文化や自然環境の価値を維持しながら、持続可能な発展を目指す取り組みが行われています。

クムタグ砂漠は、その広大な面積と独自の自然及び文化的遺産によって、訪れる人々に不思議で貴重な体験を提供しています。

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