クラップ

クラップ（CLOP）

クラップは、アニメ『ガンダムシリーズ』に登場する架空の艦艇で、特に宇宙世紀を舞台とした作品に登場します。この艦船は、劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に初めて登場し、地球連邦軍の宇宙巡洋艦として知られています。サラミス級巡洋艦に替わり、1980年代末から90年代にかけての宇宙艦隊の主力として位置づけられています。

船名の由来と命名

『逆襲のシャア』の劇場パンフレットでは「巡洋艦」とのみ表記されていたクラップですが、1989年に発表された書籍『ENTERTAINMENT BIBLE (EB)』によって「クラップ級」として認知されるようになりました。興味深いことに、監督の富野由悠季が以前に制作したアニメ『伝説巨神イデオン』にも同名の艦艇が登場しています。

設計と性能

クラップは、モビルスーツ（MS）を運用することを考慮して設計されており、同類艦と比較してバランスの取れた能力が評価されています。外見は、同時期に建造されたラー・カイラム級戦艦と共通点が多く、基礎的な設計思想が似通っています。

主要な推進機関は中央部と両側のエンジンブロックに配置されており、冷却のための放熱板も装備されています。艦体全体の互換性も高く、特にブリッジの構造は非常に似ています。主砲は、カイラム級とも類似した形式の2連装メガ粒子砲塔を装備し、ミサイル発射管や後方の8連装ミサイルランチャーも持っています。

劇中での活躍

『逆襲のシャア』では、クラップ級艦が主要な場面で活躍します。特に宇宙世紀0093年や、その後の作品からも頻繁に登場し、連邦軍の重要な戦艦として描かれています。劇中では、最初に艦名不詳の2隻がロンド・ベル隊の旗艦「ラー・カイラム」に随伴し、ネオ・ジオン軍と交戦します。

地球連邦軍の参謀次官が乗艦した際、彼らは「クラップ」に駐留し、ルナツーでの作戦に参加します。アクシズに対する最終決戦では、この艦が多大な損傷を被りながらも、戦いを続ける姿が描かれ、艦名「クラップ」が印象的に残ります。

年月が経った後の『機動戦士ガンダムF91』や『機動戦士Vガンダム』でも登場し、クロスボーン・バンガードとの戦闘や、ザンスカール帝国軍との激闘での活躍が見受けられます。特に、『Vガンダム』の劇中では、リーンホースと呼ばれる艦が連邦軍として登場し、戦闘において重要な役割を果たします。

仕様と艦体色

基本的な艦体色はグレーですが、カタパルトやプロペラントタンクはオレンジ、推進器の周縁には赤色が施されています。この色彩は、艦の個性ともなり、視覚的な印象を強調しています。さらに、MSの搭載数は具体的には不明ですが、劇中では最低4機の搭載が確認されており、一部の文献では最大で6機とされることもあります。

改修艦

「クラップ級」の中でも改修艦が存在し、その代表例が「スペース・アーク」と「リーンホース」です。これらの艦は、元のクラップ級を改装したもので、それぞれ異なる任務に従事しています。また、スペース・アークは練習艦としてのみならず、新型MSの性能試験の母艦としても運用されています。

このように、クラップ級は『ガンダムシリーズ』の中で独自の地位を占める艦艇であり、作品を通じて重要な役割を果たしてきました。

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