ラー・カイラム

ラー・カイラム（Ra Cailum）

ラー・カイラムは、アニメ『ガンダムシリーズ』の宇宙世紀に登場する架空の兵器で、地球連邦軍に属する機動戦艦です。この艦はラー・カイラム級の1番艦に当たり、艦長はブライト・ノアが務めています。

設計と特徴

ラー・カイラムは、その設計においてモビルスーツ（MS）運用能力と砲撃戦能力を兼ね備えた高性能な艦艇として知られています。特に、連装メガ粒子砲が4基搭載されており、圧倒的な火力を誇っています。地球連邦軍の外郭部隊であるロンド・ベル隊の旗艦として位置づけられており、対空戦闘能力も高いことで有名です。そのため、劇中ではネオ・ジオン軍のMSの接近を常に警戒し、高い防御力を発揮します。

艦のブリッジは通常ブリッジと戦闘ブリッジの2つを備え、戦闘ブリッジは緊急時の脱出ポッドとしても機能します。艦の両舷には発進用のカタパルトを持ち、後部には着艦専用の甲板があります。また、船体の左右には大型の放熱板が装備され、それぞれ艦の全長の約半分の長さをしています。

この艦は、サラミス級やマゼラン級、アレキサンドリア級などの過去の連邦軍宇宙艦艇の設計から影響を受けた要素が散見され、その設計はそれらからの集大成とも称されています。同じ時期に就役したクラップ級とは基本設計を共有し、連携運用が行われていました。

ラー・カイラムは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と『機動戦士ガンダムUC』の中でデザインに若干の変更があるものの、基本的な特性は変わらずに登場します。劇中では、艦の戦闘機能を高めるための近代化改修が施されており、最終的には開発から50年以上経過しても運用が続けられています。

劇中での活躍

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』

宇宙世紀0093年を背景にしたこの作品では、ラー・カイラムはロンド・ベル隊の旗艦として出撃します。艦長であるブライト・ノア大佐の指揮の下、新生ネオ・ジオンのアクシズ落下作戦を阻止するために行動します。物語冒頭では、ラー・カイラムとクラップ級艦船五隻からなる艦隊がネオ・ジオン艦隊による5thルナの落下を阻止するために戦いますが、成功には至りませんでした。

その後、ロンデニオンで行われる地球連邦政府とネオ・ジオン間の極秘和平交渉の際に襲撃を受け、交戦を余儀なくされます。艦首が破損した後、修理と補給を経てアクシズ追撃作戦に参加します。この作戦では、艦首ミサイルに核弾頭を搭載し、アクシズの破壊を目指しますが、阻止されてしまいます。ブライトがアクシズを爆破するために艦を守る中、副長のメランが指揮を執り、無事に艦を防衛し続けました。

『機動戦士ガンダムUC』

宇宙世紀0096年に舞台を移したこの作品でも、ラー・カイラムはロンド・ベル隊の旗艦です。艦長のブライトはこの作品でも指揮を取っており、ジオン軍残党の襲撃に備えて地球連邦政府の首都へ急行します。本作の中では、艦載機が「ラプラス事変」に参加したり、オーストラリアのトリントン基地への防衛のためにMS隊を派遣するなどの場面が描かれます。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

宇宙世紀0105年を舞台にしたこの小説では、ラー・カイラムは第13独立艦隊に編入され、反地球連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」の掃討作戦に貢献します。

艦載機

ラー・カイラムには複数の艦載機が搭載されており、宇宙世紀0093年時点ではRGM-89 ジェガンやRX-93 νガンダムなどが運用されています。0096年にはRGM-96X ジェスタやRX-0 バンシィなど、新しい艦載機も搭載されています。

まとめ

ラー・カイラムは、宇宙世紀の中で重要な役割を果たした機動戦艦であり、ブライト・ノア艦長の指導の下、数々の戦闘に参加しました。その設計や性能は優れており、連邦軍の信頼厚い戦力として活躍しています。歴史の中で数十年権利される艦として、戦われ続けるその姿は、ファンにとって記憶に残る存在です。

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