クララ・ジーベルト

クララ・ジーヴェルト（Clara Siewert, 1862年12月9日 - 1945年10月11日）は、ドイツの画家であり、その生涯は芸術の変遷と社会の動乱に翻弄されました。彼女はプロイセン王国のブッダ（現在のポーランド、ポモージェ県ブディ）で、バルト・ドイツ人の家系に生まれました。父親はプロイセン陸軍の士官、母親はアマチュア画家という環境で育ち、幼少の頃から絵画に親しみました。妹のエリザベート・ジーヴェルトは後に作家として名を馳せました。

ジーヴェルトは、女性が美術学校への入学を認められなかった時代に、個人教授を通じて美術を学びました。1884年からはベルリンと故郷を往復する生活を送り、ベルリンではカール・シュタウファー＝ベルンなどの著名な画家に師事し、象徴主義の画家、アルノルト・ベックリンの作品にも影響を受けました。また、女性のための絵画塾を主宰していたマックス・コーナーにも師事し、ベルリン美術アカデミーの教授、ヒューゴ・フォーゲルにも学びました。

1892年にはベルリンの展覧会に出展し、ベルリン女性芸術家協会の一員となりました。1890年代の終わりにはベルリンに居を定め、自身のスタジオを開設しました。妹たちもベルリンに住むようになり、ジーヴェルトのスタジオ近くには表現主義の画家グループ「ブリュッケ」のメンバーのスタジオがありました。1901年からは「ベルリン分離派」の展覧会にも参加しましたが、1912年に理由は不明ながら脱退し、その後活動は停滞しました。1914年にライプツィヒの展覧会に出展した後、1936年まで展覧会への出展はほとんどありませんでした。

経済的には、妹エリザベートの成功によって支えられていましたが、1930年にエリザベートが亡くなると経済的に困窮し、ナチス政権下の国民啓蒙・宣伝省に支援を求め、後に帝国文化院に参加しました。1936年、画商ヴォルフガング・グルリットがジーヴェルトの作品に注目し個展を開きましたが、大きな注目を浴びることはありませんでした。その後、戦争の開始により展覧会は中止となり、1943年には空襲でスタジオが破壊され、多くの作品が失われました。

ジーヴェルトは戦後間もなく亡くなりましたが、その作品は長く忘れられていました。しかし、近年になって再評価が進み、レーゲンスブルクの画廊で開催された「クララ・ジーヴェルト-夢と写実性の間」展では、約170点の作品が展示され、その画業が改めて注目を集めました。

ジーヴェルトの作品は、彼女が生きた時代の社会的な背景や、彼女自身の内面世界を反映しており、象徴主義や表現主義の影響を受けつつも、独自の画風を確立しています。彼女の人生と作品は、困難な時代を生き抜いた芸術家の姿を私たちに伝えてくれます。

代表的な作品

作品1の画像 （例）
作品2の画像 （例）
作品3の画像 （例）
作品4の画像 （例）
作品5の画像 （例）
作品6の画像 （例）
作品7の画像 （例）

参考文献

Clara Siewert. In: Hans Vollmer (Hrsg.): Allgemeines Lexikon der Bildenden Künstler von der Antike bis zur Gegenwart. Begründet von Ulrich Thieme und Felix Becker. Band 31: Siemering–Stephens. E. A. Seemann, Leipzig 1937, S. 6.
Paul Fechter: Die Siewerts. In: Westpreußen-Jahrbuch, Landsmannschaft Westpreußen (Hrsg.), Band 14, 1964, S. 63–68.
Carl Lange: Begegnungen mit der Dichterin Elisabeth Siewert. In: Westpreußen-Jahrbuch, Landsmannschaft Westpreußen (Hrsg.), Band 9, 1959, S. 48–53.
Herybert Menzel: Zum Tode Elisabeth Siewerts. In: Ostdeutsche Monatshefte, 11. Jg., 1930, S. 506–508.
Roman Zieglgänsberger (Bearbeiter): Clara Siewert. Zwischen Traum und Wirklichkeit. Mit Beiträgen von Renate Berger, Michael Kotterer und Roman Zieglgänsberger. Hg.: Kunstforum Ostdeutsche Galerie Regensburg, Regensburg 2008, ISBN 978-3-89188-116-3 Hinweis: Sämtliche Quellenangaben aus diesem Buch beziehen sich auf Beiträge von Roman Zieglgänsberger.
* Roman Zieglgänsberger: Clara Siewert (Gut Budda/Westpreußen 1862–1945 Berlin). In: Ulrike Wolff-Thomsen, Jörg Paczkowski (Hrsg.): Käthe Kollwitz und ihre Kolleginnen in der Berliner Secession (1898–1913). Boyens Buchverlag, Heide 2012, ISBN 978-3-8042-1374-6, S. 104–125.

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