クラレンス・クレモンズ

クラレンス・クレモンズ：Eストリートバンドを支えた「ザ・ビッグマン」

クラレンス・クレモンズ（Clarence Clemons、1942年1月11日 - 2011年6月18日）は、アメリカ合衆国バージニア州ノーフォーク出身のサックス奏者であり、歌手です。彼は、ブルース・スプリングスティーンのEストリートバンドのメンバーとして世界的に知られ、「ザ・ビッグマン（The Big Man）」の愛称で親しまれました。2011年6月18日、脳卒中の合併症により69歳で逝去。

Eストリートバンドでの活躍

クレモンズは、Eストリートバンドにおいて、その圧倒的な存在感と力強いサックスの音色でバンドサウンドを牽引しました。彼の演奏は、スプリングスティーンの音楽に不可欠な要素であり、「明日なき暴走（Born to Run）」、「ザ・リバー（The River）」、「ボーン・イン・ザ・U.S.A.（Born in the U.S.A.）」など、数々の名盤にその名を刻んでいます。スプリングスティーンとのステージでの熱い掛け合いは、多くのファンを魅了しました。

リーダー・アルバムとソロ活動

Eストリートバンドでの活動と並行して、クレモンズはソロアーティストとしても活動しました。1983年には、Clarence Clemons & the Red Bank Rockers名義で『レスキュー～影に叫ぶ～（Rescue）』を発表。その後も、『ヒーロー（Hero）』、『ア・ナイト・ウィズ・ミスターC（A Night With Mr. C）』などのアルバムをリリースし、独自の音楽性を追求しました。

多岐にわたる音楽活動

クレモンズは、自身のアルバム制作以外にも、様々なアーティストの作品に参加しています。ゲイリー・U.S.ボンド、レディー・ガガ、リンゴ・スター、ズッケロなど、ジャンルを超えた幅広いアーティストとの共演は、彼の音楽的な才能と人柄のなせる業でしょう。また、映画音楽やテレビ番組のサウンドトラックにも参加し、その活動は多岐に渡りました。

俳優としての顔

クレモンズは、音楽活動だけでなく、俳優としても活躍しました。『ニューヨーク・ニューヨーク』、『ビルとテッドの大冒険』、『ブルース・ブラザース2000』などの映画に出演。テレビドラマ『アーノルド坊やは人気者』、『ザ・シンプソンズ』などにもゲスト出演し、その存在感を示しました。

ディスコグラフィー（一部）

リーダー・アルバム

『レスキュー～影に叫ぶ～』 - Rescue (1983年) ※Clarence Clemons & the Red Bank Rockers名義
『ヒーロー』 - Hero (1985年)
『ア・ナイト・ウィズ・ミスターC』 - A Night With Mr. C (1989年)

ブルース・スプリングスティーン

『明日なき暴走』 - Born to Run (1975年)
『ザ・リバー』 - The River (1980年)
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』 - Born in the U.S.A. (1984年)

参加アルバム

レディー・ガガ : 『ボーン・ディス・ウェイ』 - Born This Way (2011年)
ズッケロ:『ズッケロ』 - Oro Incenso & Birra (1989年)

晩年と遺産

晩年も精力的に音楽活動を続けましたが、2011年6月18日、脳卒中の合併症により69歳でこの世を去りました。しかし、彼の音楽と精神は、Eストリートバンドのメンバーとして、またソロアーティストとして、多くの人々の心に生き続けています。クラレンス・クレモンズは、まさに「ザ・ビッグマン」の名にふさわしい、偉大な音楽家でした。

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