クリアリングハウス

クリアリングハウス（清算機関）とは

クリアリングハウスは、金融取引における決済を円滑に行うことを目的とした機関です。手形や小切手などの金銭、株式や債券などの有価証券、さらにはデリバティブ取引など、多岐にわたる金融商品の決済を扱います。クリアリングハウスは、取引の当事者間の信用リスクを軽減し、市場の安定性を高める上で重要な役割を果たしています。

クリアリングハウスと類似する概念として、中央清算機関（CCP）があります。CCPは、特に店頭デリバティブ取引の清算において重要な役割を果たしており、取引の相手方となることで、個々の取引参加者の信用リスクを管理します。

クリアリングハウスの機能

クリアリングハウスは、主に以下の機能を通じて決済の円滑化を図ります。

清算（クリアリング）: 取引の内容を確認し、決済に必要な情報を確定するプロセスです。
決済: 確定された情報に基づき、金銭や有価証券の受け渡しを行うプロセスです。
リスク管理: 取引の相手方の信用リスクを評価し、必要に応じて担保を徴収するなどのリスク軽減措置を講じます。

多くのクリアリングハウスは、清算を主体的に実施しており、決済プロセスの一当事者として機能しています。

日本の関連法規

日本においては、クリアリングハウスは以下の法律に基づいて運営されています。

手形交換所: 手形法、小切手法など
金融商品取引清算機関: 金融商品取引法など
商品取引清算機関: 商品先物取引法など

これらの法律は、クリアリングハウスの業務範囲や監督体制などを定めています。

クリアリングハウスの例

クリアリングハウスは、取り扱う金融商品の種類に応じて様々な形態が存在します。

金銭等

各手形交換所

有価証券

株式会社日本証券クリアリング機構（証券取引所・PTS内での取引、店頭取引国債）
株式会社ほふりクリアリング（証券取引所・PTS外での取引）

コモディティ（商品）現物

株式会社日本証券クリアリング機構（東京商品取引所、大阪堂島商品取引所での取引等）

デリバティブ取引

株式会社日本証券クリアリング機構（東京商品取引所、大阪堂島商品取引所、大阪取引所の各市場で取引された市場デリバティブ（先物・オプション）取引、店頭金利スワップ取引、店頭クレジット・デフォルト・スワップ取引）
株式会社東京金融取引所（同社市場での市場デリバティブ（先物取引、FX、CFD等）取引）

中央清算機関（CCP）

「クリアリングハウス」という語の代わりに「中央清算機関」という語が用いられることもあります。特に、以下の文脈では「中央清算機関」という語がよく用いられます。

* 店頭デリバティブ規制の文脈（例：2009年のG20サミット首脳声明では、店頭デリバティブ取引は中央清算機関を介した決済が行われるべきであるとされました）。

まとめ

クリアリングハウスは、金融市場における決済の安定性を支える重要なインフラです。様々な種類のクリアリングハウスが存在し、それぞれの専門分野でリスク管理と効率的な決済を実現しています。金融市場のグローバル化が進む現代において、クリアリングハウスの役割はますます重要になっています。

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