クリサリス・ミュージック

クリサリス・ミュージック: 音楽出版会社の歴史

クリサリス・ミュージック（Chrysalis Music）は、イギリスの音楽制作において重要な役割を果たしてきた音楽出版会社です。その歴史は1967年にまで遡り、ロンドン西部でクリス・ライトとテリー・エリスによって設立されたエリス＝ライト・エージェンシー（Ellis-Wright Agency）に始まります。このエージェンシーは、当初、ブルースグループであるテン・イヤーズ・アフターやクラウズのマネジメントとブッキングを行うために設立されました。事務所は順調に成長し、1968年にはアイランド・レコードとの契約が結ばれました。また、同年にはクリサリス・レコードが設立され、その名はライトの名前とエリスの姓に由来しています。

クリサリス・ミュージックの公式設立日は1968年9月18日とされ、時を経て様々なジャンルのアーティストと契約を結んでいきました。1970年代初頭には、ロックグループの代表格であるジェスロ・タルやプロコル・ハルム、テン・イヤーズ・アフターのヒット曲が相次いでリリースされ、注目を集めました。その後、レオ・セイヤーやロリー・ギャラガーといったシンガーソングライターや、ニュー・ウェイヴおよびパンク・ロックの代表的なアーティストであるジェネレーションXやブロンディといったグループとも契約を結び、音楽シーンに多大な影響を与えました。

1980年代に入ると、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースなど、既に成功を収めていたバンドとの提携が進み、クリサリス・ミュージックはさらなる飛躍を遂げました。しかし、1985年にはテリー・エリスが持つ株式をクリス・ライトが買収し、1991年にはクリサリス・レコードをEMIに売却することとなります。これにより、クリス・ライトは音楽出版事業であるクリサリス・ミュージックを手元に残しました。

その後、クリサリス・ミュージックは音楽出版の分野での存在感を維持し続け、2010年にはBMGライツ・マネジメントに売却されました。これにより、その歴史は新たな章へと進むことになります。クリサリス・ミュージックは、ロックからポップ、さらにはパンクに至るまで、世代を超えた多様な音楽シーンに貢献し続けています。このように、長きにわたって音楽界に影響を与えたクリサリス・ミュージックは、現在もその名を誇る企業として多くのアーティストを支援しています。

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